建設業の働き方改革に学ぶ|時間外労働の上限規制にどう対応するか

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が本格適用され、対応に悩む中小企業も少なくありません。こうした中、ゼネコンを中心とした好事例が集められた事例集が注目を集めています。熊本県内の中小企業にとっても、学べるポイントが多数あります。
建設業の「猶予期間」終了と中小企業への影響
これまで5年間の猶予期間があった建設業界にも、2024年4月から時間外労働の上限(原則月45時間・年360時間)が適用されています。とくに中小企業では、慢性的な人手不足のなかでどう現場を回すか、という切実な課題が浮上しています。
そんな中、日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)がまとめた「働き方改革事例集」は非常に参考になります。
事例集が示す4つの改善領域
日建協の事例集では、以下の4領域に分けて取り組みが紹介されています。
- 就業形態・時短
- 生産性向上
- 人間関係
- 健康
この枠組みは、建設業に限らず多くの業種に応用可能です。
中小企業にも応用可能な実践例
たとえば、五洋建設が導入した「バディ制」は、休暇取得を後押しする仕組みとして注目されます。2人1組で業務をカバーし合うことで、心理的にも実務的にも休みやすい環境が生まれています。
また、清水建設では「1on1ミーティング」を活用し、上司と部下の信頼関係を強化。職場の人間関係が改善されれば、定着率や生産性向上にもつながります。
熊本県内の中小企業にとっての教訓
中小企業では、「うちは人が少ないから無理だ」となりがちですが、だからこそ「仕組み」で補う必要があります。日建協のように、業界全体で知恵を出し合い、ノウハウを共有していく文化は、中小企業間でも促進していきたいところです。
まとめ
建設業の働き方改革の取り組みは、決して他人事ではありません。時間外労働の上限規制はすべての企業に関わる課題であり、「生産性向上」や「信頼関係の強化」など、業種を問わず活用できるヒントが詰まっています。
御社では、どのような対策を進めていますか?今こそ、働き方の見直しに踏み出す好機です。
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