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働き方改革

30分の早起きが生んだ1時間半の余白

ある顧問先での話だ。
その会社の経営者が、思い切って朝30分早く起きるようにしたという。特別なことを始めたわけではない。ただ、出社前の静かな時間にメールを整理し、その日の優先順位を確認する。それだけのことだった。

ところが、実際には仕事の動き出しが1時間半ほど早くなったらしい。自分でも驚いたと話していた。30分早く起きただけなのに、結果として1時間以上の余裕が生まれたというのだ。

私はその話を聞きながら、「時短には乗数効果があるのかもしれない」と考えた。

多くの場合、私たちは時間を足し算で捉えている。30分早く起きれば、使える時間が30分増える、と。しかし実際には、そう単純ではないのかもしれない。

朝の30分は、単なる30分ではない。静かな環境で考える時間は、判断の質を上げる。優先順位が明確になれば、迷いが減る。迷いが減れば、着手が早くなる。着手が早くなれば、周囲の動きも早まる。そうやって、小さな変化が連鎖していく。

結果として、30分の前倒しが、1時間半の前進につながったのだと思う。

経営においても似たことがある。
小さな改善を「たったこれだけ」と軽く見てしまうことがある。しかし、組織や業務はつながっている。ひとつの工程が整うと、その後ろにある工程も整う。逆に、どこかで滞れば、全体が滞る。

今回の話は、時間そのものよりも「流れ」を整えたことに意味があったのだろう。朝の30分で頭の中を整理したことで、仕事の流れがスムーズになった。流れがよくなると、無駄な確認ややり直しが減る。結果として、実質的な時間が増える。

私はここに、時短の本質があると感じた。
時間を削ることが目的ではない。流れを整え、判断を早め、迷いを減らす。その積み重ねが、思った以上の差を生む。

この出来事をきっかけに、自分自身の時間の使い方も見直すようになった。長時間働くことよりも、動き出しをどう設計するか。会議を減らすことよりも、会議前の準備をどう整えるか。表面的な「短縮」ではなく、構造的な「前倒し」に目を向けるようになった。

経営では、大きな改革や派手な施策に目が向きがちだ。しかし実際には、小さな習慣の変化が、静かに、しかし確実に効いてくることがある。しかも、その効果は直線的ではない。ときに乗数のように広がる。

30分の早起きは、誰にでもできる。だが、それを「流れの改善」として設計できるかどうかで、成果は変わるのだと思う。

時短に乗数効果があるのか。
答えは、おそらく「条件付きである」だろう。ただ削るだけでは効果は小さい。しかし、全体の流れを見て前倒しを設計すれば、小さな30分が想像以上の変化を生む。

あの顧問先の経営者は、今も早起きを続けているという。
特別なことをしているわけではない。ただ、静かな朝に一日の舵取りをしているだけだ。

経営も同じだ。
ほんの少し早く考え、ほんの少し先に手を打つ。その差が、後から見ると大きな差になっている。

派手ではないが、確かな前進。
それが、あの30分が教えてくれたことだった。

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