保護者を巻き込んだ企業見学ツアーの可能性とは? 〜長崎県・熊本県の取り組みから読み解く、採用広報の新たな視点〜

若年層の県外流出が続く中、企業がどのように地元人材に魅力を伝えられるかは重要なテーマです。今回は長崎県と熊本県が行っている「保護者向け企業見学ツアー」に注目し、中小企業にとっての実践的なヒントを考察します。
長崎県が行う「保護者見学ツアー」の狙いとは
長崎県は高校生の保護者を対象とした企業見学ツアーを開催。2〜3社を巡り、仕事内容や職場の雰囲気、設備などを保護者に直接見てもらうことで、企業の魅力を家庭にも届けようとしています。高校生の就職活動において、保護者が大きな影響力を持つという前提に基づいた取り組みです。
昨年度は計11コース、104名が参加。今年度はさらに参加しやすいよう土曜開催を拡充し、より多くの家庭へのアプローチを目指しています。
熊本県でも「ブライト企業 魅力発見バスツアー」を実施
熊本県でも、県が認定する「熊本県ブライト企業」を中心に、保護者向けの見学ツアーを実施。たとえばフジクラプレシジョン株式会社は、2020年に開催されたバスツアーで、会社概要や求める人材像の説明、製品のデモ、職場見学を実施。高校・大学・専門学校等の保護者を対象に、90分程度の構成で企業の魅力を発信しました。
この取り組みは、若年層の就職活動を支える「家庭」という視点を活用し、ミスマッチ防止や定着促進にもつながる可能性があります。
中小企業にとっての実務的な示唆
地方企業において、知名度や情報発信力に限界がある中、保護者を巻き込んだ広報戦略は有効です。実際に現場を見てもらうことで、誤解や先入観を払拭し、家庭内での企業理解を深めることができます。
また、このような機会は企業側にとっても、自社の強みや求める人材像を言語化し、整理する良い機会になります。採用活動だけでなく、社員教育や職場環境整備の見直しにもつながります。
まとめ:企業規模に関わらず「見せる採用」を
見学ツアーは大企業に限らず、中小企業こそ活用したい手法です。県の支援事業をうまく活用しながら、地域に根ざした採用広報を強化していくことが、将来の人材確保に直結します。
保護者と高校生、企業の三者が「現場」で接点を持つ――そんな新しい採用の形を、貴社でも検討されてはいかがでしょうか?
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