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人事労務ニュース

在籍型出向と産業雇用安定助成金 メリットと活用のポイント

昨日も引用した、こちらの新聞記事ですが、

 

毎日新聞 コロナ禍の「在籍したまま出向」普及を阻む制度の「壁」とは?
https://mainichi.jp/articles/20220426/k00/00m/020/263000c

 

読み返してみると、補足が必要かと思いましたので、再投稿します。

 

「産業雇用安定助成金は、雇用調整助成金に比べて、メリットが薄い」のか?

 

添付の記事の有料部分ですので、読めないかもしれませんが、「従業員を休ませるだけでより高い助成金が得られる雇調金と比べ、企業が在籍型出向を活用するメリットが薄い」という記述について補足します。おそらく専門家の監修がありませんね。

 

雇調金(雇用調整助成金)のデメリットは、休業が長期化することによる、従業員のモチベーション低下、スキルアップの機会を失うことと考えます。

 

事業主の中には、このデメリットを嫌い、会社に在籍のまま人手不足の他社へ出向させ(在籍型出向)、人件費を抑えると同時に、出向先で働くことで、モチベーション維持とスキルアップも目論む動きが出ています。

 

産業雇用安定助成金は、この在籍型出向への動きを、支援するものです。

 

雇調金にない産雇金の大きなメリットは、人件費に加え、出向に係る諸経費も助成されること、出向元と出向先の両方に助成金が支払われることです。
特に、出向経費の助成は、人数に応じ定額が支払われるのが大きいです。

 

人件費の助成も、最大10分の9と大きいです。
実務では、出向元と出向先で人件費を案分しますので、20分の1や30分の1になることもあり得ます。弊所ブログで図入りで解説しています。https://ogiu-sr.com/joseikin/541/

 

要約すると、在籍型出向も産業雇用安定助成金も、活用すれば十分メリットは大きいと考えます。

 

在籍型出向や産業雇用安定助成金の、活用が進まなかった理由

在籍型出向や産業雇用安定助成金活用が、これまで進まなかったのはなぜか。2つの要因があります。

 

①在籍型出向は、事前準備のハードルが多い(決して高くはない)
実現に、いくつもの壁があります。出向元と出向先のマッチング、2社間の労働条件、労務管理のすり合わせ、そして就業規則その他規程の整備。これらを一つひとつ、超える必要があります。

②産業雇用安定助成金は、雇用安定助成金に比べ、煩雑で手間がかかる
これは記事に同意します。ただ、これは雇調金が相次ぐ特例で、前例が無いほどガバガバになっているのが原因です。本来は、今の産雇金並みにややこしいです。
あと、産雇金は出向元と出向先、労働行政の3者間になるので、煩雑なのもあります。これは専門家の力を借りて、何とかするのが一番と思ってます。

 

まとめ

行動制限のない夏になるなど、コロナとの共存の動きが進みますが、個々の会社の状況は様々で、まだ休業・一部休業が続くところもあるのが現状です。
長期化する休業の弊害をいかに防ぎ、従業員の雇用とモチベーションを守るかが、これからより問われると思います。

 

参考情報

厚生労働省「産業雇用安定助成金」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page06_00001.html

公益財団法人 産業雇用安定センター

https://www.sangyokoyo.or.jp/

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