最低賃金「全国最下位」の秋田が動いた——熊本県も他人事で済ませられない理由

秋田県が最低賃金引き上げに向け、県知事と労働組合が動き出しました。現在、熊本県の最低賃金は全国で下から2番目。中小企業経営者の皆さんにとっても、「いつか来る」ではなく「すでに始まっている」議論です。本記事では、秋田県の動きと共に、熊本県の中小企業が今からできる準備について整理します。
秋田県、最低賃金「全国最下位」からの脱却へ
6月27日、秋田県で最低賃金引き上げを求める要請書が知事に提出されました。秋田県内の最低賃金は現在951円。これは全国で最も低く、東京都の1163円と比べると212円の差があります。
連合秋田は「時給1000円の早期達成」を求め、鈴木知事も「最下位脱出が最低目標」と明言しました。今後の審議会(7月開催予定)に向けた注目すべき動きです。
熊本県は「下から2番目」の952円——他人事ではない
一方、熊本県の現在の最低賃金は952円。秋田県のすぐ上に位置しています。仮に秋田が引き上げられれば、熊本が「最下位」となる可能性も。賃上げ圧力は確実に私たちの地域にも及んできます。
物価高騰や人手不足が進む中で、最低賃金の引き上げは避けられないテーマです。
中小企業に求められる「備え」とは?
最低賃金引き上げが企業に与える影響は、業種や人件費率により異なります。ただし共通して言えるのは、早期の対応がコスト増の「痛み」を和らげるということです。
たとえば以下の取り組みが検討できます:
- 業務プロセスの見直し(省力化・IT活用)
- 人材定着策の強化(教育・働き方の見直し)
- 助成金・補助金の活用(業務改善助成金、キャリアアップ助成金など)
熊本県の動向を注視しつつ、今できる一手を
秋田県の動きは、私たち熊本県の中小企業にとっても警鐘です。「制度が変わってから対応」では遅すぎます。地域の情勢や国の議論を常にウォッチしつつ、可能な改善を一歩ずつ進めていくことが、持続可能な企業経営につながります。
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