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ベンチャー・スタートアップ支援

外国人の起業支援が本格化!熊本市のスタートアップビザ制度とは

熊本市で始まる新たな外国人起業支援制度

熊本市が「スタートアップビザ」の運用を2025年4月に開始しました。
この制度により、外国人が熊本で起業を目指す際、最長2年間の在留資格「特定活動」のもと、準備期間を持つことが可能になります。

地域の国際化や経済活性化を後押しするこの制度は、人事・労務の専門家や企業の経営者にとっても注目すべき動きです。

 

スタートアップビザ制度とは?

スタートアップビザとは、外国人起業家に対して在留資格「特定活動」を付与し、最大2年間、日本での起業準備を認める制度です。
熊本市は全国で20番目の導入自治体として、この取り組みをスタートしました。

この期間中に、法人設立、資本金の準備、事業の立ち上げを進め、最終的に「経営・管理」ビザへ移行することが目標となります。

 

制度導入の背景と地域の期待

スタートアップビザ制度は、2015年に経済産業省が制度設計を行い、地域経済の活性化とグローバルな起業家の誘致を目的としてスタートしました。
背景には、人口減少・高齢化が進む日本において、海外からの人材とアイデアを受け入れ、新しい産業の芽を育てるという国家的な課題があります。

特に地方都市にとっては、外国人起業家の存在がイノベーションの触媒となり得るだけでなく、既存の中小企業やスタートアップとの協業、地元大学との連携など、多様な効果が期待されています。

熊本市においても、熊本大学や地場のベンチャー企業との連携を見据えた国際的な起業支援の体制を整備することで、地域の魅力を高め、長期的な雇用や投資の促進につなげたいという狙いがあります。

制度導入によって、熊本が「起業家に優しいまち」として国際的に認知されることも期待されており、今後の制度運用が地域経済にどのようなインパクトをもたらすか注目されます。

 

熊本市が提供するサポート内容

熊本市はJETRO熊本と連携し、「くまもと森都心プラザ」2階のXOSS POINT.にて、毎週火曜日(9:00〜12:00)に専門相談窓口を開設しています。
窓口対応のほか、電話・オンラインでの相談も受け付けており、スタートアップを目指す外国人にとって心強い支援環境が整備されています。

 

人事・労務担当者が知っておきたい注意点

スタートアップビザを持つ外国人は、原則として自らの起業準備のみに従事し、他の業務(アルバイトなど)は一切禁止です。
そのため、事業が軌道に乗らない場合、無収入となるリスクもあります。

このような背景を理解した上で、企業が外国人起業家と関わる際には、適切な法的知識と労務対応が求められます。

 

熊本市・JETROの相談体制と利用の流れ

初回相談は無料で、必要に応じて特許・商標・法務など外部専門家の紹介も可能です。
紹介後の2回目以降には、外部専門家へ相談する場合は報酬が発生する場合もあるため、事前確認がおすすめです。

また、起業準備期間中は月に一度、熊本市との定例面談が義務付けられています。

 

セミナー参加を通じて見えた「支援のポイント」

4月18日に熊本大学で開催された「スタートアップビザ制度活用セミナー」に参加しました。
京都でスタートアップビザを取得した起業家の実体験が紹介され、リアルな支援ニーズが浮き彫りとなりました。

特に重要と感じたポイント:

  • ビザ期間内に500万円の資本金準備(段階的でも可)
  • 物理的なオフィス賃貸契約(期間はビザの有効期間以上を超える必要がある)
    ※京都ではコワーキングスペース不可。熊本市の条件は変わるかもしれませんので、ご確認ください。
  • 起業家本人が最大株主であること
  • 月1回の熊本市との面談で進捗確認が必須
  • 起業中は他の就労は不可。報酬は事業からのみ得る必要がある
  • 信頼できる相談窓口と専門家の紹介体制が必要

「制度」だけでは不十分で、実務支援と人とのつながりが成功のカギだと実感しました。

 

京都の成功事例から学べること

京都では、外国人起業家がスタートアップビザを活用し、子ども向け支援事業「kimino micata(キミノミカタ)」を立ち上げた事例が紹介されました。
熊本に制度がなかった当時、京都を選び、ファンディングや仲間との出会いを経て、経営管理ビザへ移行。

制度の真価は「制度+支援+人脈」の融合にあると感じさせられました。

 

地元企業と外国人起業家の連携の可能性

言語や文化の違いを超えて連携するには、企業側にも柔軟な姿勢が求められます。
労務管理の見直しや、受け入れ体制の整備も進めておくとスムーズです。

 

まとめ:社会保険労務士としての視点

スタートアップビザ制度は、熊本の国際化と地域イノベーションを加速させる力を持っています。
しかし、制度の「活用」には、丁寧な伴走と継続的な支援が不可欠です。

また、ビザの取得には行政書士、経営相談には中小企業診断士、特許・商標は弁理士など、場面に応じた専門家の支援が必要です。

熊本市・熊本県では今後、専門士業が横断的に、ワンストップで対応できる体制を、整える動きがあります。起業を目指す外国人が、専門家探しに迷うことなく、適格な支援を得られることが、期待されます。

社会保険労務士として、企業と外国人起業家の架け橋となるべく、制度を注視しながら支援に取り組んでまいります。

 

制度に関心がある方、あるいは自社での対応に不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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関連情報

熊本市【報道資料】スタートアップビザの運用を開始します

https://www.city.kumamoto.jp/kiji00363436/index.html

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