「記録上は休憩、実態は労働」。
この「隠れ残業」が、企業の労務リスクを高めていることをご存じでしょうか?
今回は、飲食チェーン大手・丸亀製麺の元店長が「休憩中も働いていた」と訴え、国の労働保険審査会が主張を認めた事案をもとに、中小企業でも起こりうる課題と実務対応について解説します。
何が起きたのか?
東京都内の丸亀製麺店舗で働いていた元店長が、うつ病発症により労災を申請。初回認定では会社側の「休憩記録」をもとに労災補償額が算出されましたが、店長は「その休憩時間も実際には働いていた」と主張し再審査を請求。
労働保険審査会は勤務記録の「休憩時間の急増」と「残業の不自然な少なさ」に注目し、記録の信頼性を否定。最終的に1日あたりの平均賃金が上昇し、労災補償額も修正されました。
なぜ問題なのか?
このケースの本質は、「表面上の記録」が実態と食い違っていた点です。
具体的には、
- タイムカード上で休憩扱いだが、実際は働いていた
- 上司の指示で残業時間の記録制限があった
- 記録と実際の勤務状況に明らかな乖離があった
という点が重視されました。
熊本の中小企業も無関係ではない
熊本県内でも人手不足が深刻な中、店長や管理職が「サービス休憩」や「自己申告制の残業制限」によって無理を強いられている例が見受けられます。
特に飲食・介護・小売といった業種では、こうした慣習が「当たり前」になっている危険性があります。
実務で見直すべきポイント
- タイムカードや勤怠記録の整合性を再確認する
- 休憩時間中の実態(電話・来客・対応業務の有無)をヒアリングする
- 上司や管理職が“数字合わせ”をしていないかチェックする
- 労働時間と健康リスク(メンタル不調含む)との関係を意識する
まとめ
「記録を整えれば大丈夫」という時代は終わりました。重要なのは、「働いている実態」に即した労務管理です。
万一に備えて、記録と現実の乖離を放置しない仕組みづくりを意識したいところです。
当事務所では、勤務記録の見直しや労災リスクの洗い出し支援も行っております。お気軽にご相談ください。

