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人事労務ニュース

フリーランス法違反「ハラスメント対策不足」が最多 東京労働局調査からフリーランスと発注企業が学ぶポイント

2024年に施行されたフリーランス法。
東京労働局が公表した初年度の指導状況では、「ハラスメント対策の抜け落ち」が圧倒的に多いことが明らかになりました。
熊本でもフリーランスとの取引が増える中、「知らないうちに違反していた」というケースは十分に起こりえます。

この記事では、社会保険労務士としての視点から、フリーランス・発注企業双方が理解しておくべきポイントを整理します。

なぜ「ハラスメント対策だけ」違反が突出しているのか?

東京労働局によると、フリーランス法違反の多くは
「相談窓口を作ったつもりが、フリーランスに周知されていなかった」
「労働者向け相談窓口の範囲にフリーランスを含め忘れていた」
といった“認識のズレ・伝達不足”が原因でした。

これは企業側に悪意があるというより、
**「対応したと思っていたが、実務では行われていなかった」**
という典型的なオペレーションギャップです。

特に中小企業では、担当者の入れ替わりや兼務が多く、相談窓口の担当者変更や周知が後回しにされやすい傾向があります。

熊本県内の企業でも同様のリスクは十分に考えられ、現場レベルでの運用確認が重要になります。

フリーランス法の4つの義務:実際に違反が発生しているのはどこか?

厚労省が所管する義務は次の4つです:

1. **募集情報の的確表示**
2. **育児・介護との両立への配慮**
3. **ハラスメント対策の体制整備**
4. **中途解除の事前予告・理由開示**

このうち、違反の大半を占めるのは「③ハラスメント対策」。

逆に、①②④は母数が少なく、深刻な指導件数には至っていません。
特に地方の企業では、知り合いを通じて仕事を頼むケースが多いため、「募集情報の的確表示」に該当する事案は少ないと見られます。

しかし、**ハラスメント対策だけは企業規模に関係なく発生しやすい分野**であり、熊本でも決して他人事ではありません。

労推法・均等法・育介法・フリーランス法の「25項目チェックリスト」が必須に

現在、ハラスメント対策を求める法律は4つにまたがっています:

– 労働施策総合推進法
– 男女雇用機会均等法
– 育児・介護休業法
– フリーランス法

東京労働局はこれらを横断した25項目チェックリストを作成し、企業が見落としやすいポイントを整理しています。

典型例としては:

– 相談窓口担当者が退職したのに、変更手続をしていない
– フリーランス・非正規社員へ窓口情報が周知されていない
– パワハラ・セクハラの相談ルートが一本化されておらず、迷いやすい
– 外部人材向けにガイドラインを提供していない

フリーランスが多いIT・デザイン・広告業界では、熊本でも当てはまる事例が多い印象です。

当事務所としても、**熊本版の「フリーランス・発注企業向けチェックリスト」**を独自に作成し、希望者へ提供予定です。

熊本のフリーランス・発注企業が今すぐ実施すべき3つの実務ポイント

● **① 相談窓口を“フリーランスにも分かる形”で周知できているか?**
メール署名、契約書、クラウドツールなど複数の導線が必要です。

● **② 担当者が替わった場合の「自動更新フロー」があるか?**
属人的運用のままでは確実に抜け落ちます。

● **③ 契約解除・条件変更時の説明が形式化されているか?**
理由の記録を残すことは、トラブル防止に必須です。

これらはすべて、後から整備しようとすると大変です。
**“仕組みとして整える”ことが、もっとも効率的な予防策になります。**

当事務所のサポート(熊本の実務に特化)

荻生労務研究所では、以下のサポートを提供しています:

– フリーランス法対応チェックリスト(熊本版)の提供
– フリーランスとの契約・業務委託に関するリスク管理
– ハラスメント相談窓口の整備と運用改善
– 契約解除時の説明書式・記録様式の作成
– スタートアップや小規模事業者向けショート研修

熊本の企業やフリーランスに合わせた、現実的で運用しやすい形へ落とし込むことを重視しています。

まとめ

フリーランス法違反の多くは、意図せぬ「抜け落ち」です。
ハラスメント対策は相手との信頼関係にも直結するため、フリーランス側にとっても発注企業側にとっても大きな価値があります。

本記事が、熊本における健全な取引環境づくりの一助となれば幸いです。
チェックリストの入手や整備のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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