令和8年熊本地震で被災された事業者の皆様に向けて、熊本県では「くまもと事業者再出発支援補助金」の申請受付が始まっています。
私も熊本県が開催した事業者向け説明会に参加し、顧問先から寄せられた疑問について、県の担当者に直接質問してきました。
今回は、制度の概要とともに、経営者の皆様に知っておいていただきたいポイントを解説します。
目次
1.くまもと事業者再出発支援補助金とは?
この補助金は、令和8年熊本地震により被害を受けた中小企業者等が、事業を再開・継続するために必要な施設や設備の復旧費用を支援する制度です。
主な補助内容は次のとおりです。
| 区分 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 中小企業・小規模事業者 | 3/4 | 3億円 |
| 中堅企業 | 1/2 | 3億円 |
| 多重被災事業者 | 一定の要件を満たす場合に特例あり | 最大15億円 |
対象となるのは、地震によって被災した工場・店舗などの施設や、事業用の機械・設備などの復旧費用です。
なお、多重被災事業者の特例には別途要件がありますので、詳細は熊本県の公式資料をご確認ください。
2.説明会で確認した3つの重要ポイント
① パソコンの購入・復旧費用は対象になる?
顧問先からも質問をいただいていたのが、パソコンの取扱いです。
一般的な補助金では、汎用性の高いパソコンは補助対象外となるケースが多く、今回も判断に迷うところです。
説明会で質問したところ、一般的な事務作業に使用するパソコンは対象となることが難しいものの、個別の用途によっては対象となる可能性があるとの回答でした。
例えば、生産機械の制御に不可欠なパソコンなどは、個別に確認する余地があると考えられます。
ただし、事業用設備としての位置づけや、原則として資産計上されていることなど、制度上の条件にも注意が必要です。
パソコンだからと一律に諦めるのではなく、被災状況や使用目的を整理したうえで、補助金受付センターに確認することをおすすめします。
② 原状を超える復旧は対象になる?
被災した設備を復旧する際、以前より高性能な設備に買い替えたいというケースもあるでしょう。
今回の補助金でも、原状を超える復旧自体は可能です。
ただし、補助対象となるのは原状回復に相当する費用までです。
例えば、従来の設備を復旧する費用が500万円、新しい高性能設備の導入費用が800万円の場合、原則として補助対象となる経費の上限は500万円となります。
※金額は説明のための仮定です。実際の補助対象額は県の審査によります。
設備の更新を検討する際には、従来の設備を復旧する場合の費用も確認しておきましょう。
③ 新分野事業への進出は対象になる?
平成28年熊本地震のグループ補助金では、一定の要件を満たす新分野事業への進出に関する支援がありました。
しかし、今回の説明会では、新分野事業への進出は本補助金の対象に含まれないとの説明がありました。
今回の制度は、あくまで被災した施設・設備の復旧を支援するものです。
過去の補助金と同じ取扱いになるとは限らない点に注意してください。
3.重要!10月31日までに申請予定額の連絡を
今回、特に強調したいのが、申請予定額の事前連絡です。
補助金の活用を検討している事業者は、令和8年10月31日(土)までに「申請予定額連絡票」への回答が求められています。
今回の補助金では、国からの支援に上限額が設けられています。
説明会では、事業者から寄せられた申請予定額を踏まえ、支援額が不足する場合には国と協議する方針であるとの説明がありました。
つまり、県が今後の支援に必要な規模を把握するうえでも、この連絡は重要です。
なお、熊本県は、連絡票に記載した金額が、そのまま正式な交付申請額の上限になるわけではないと案内しています。
現時点で正確な復旧費用が分からなくても、分かる範囲で回答することができます。
補助金の利用を検討している経営者の皆様は、忘れずに対応してください。
4.まとめ|対象になるか迷ったら、まず確認を
今回の補助金では、被災した施設や設備について、どこまで補助対象になるのか判断に迷うケースもあると思います。
特に、パソコンのように用途によって判断が分かれる可能性がある設備は、自己判断で対象外と決めつけず、事前に確認することが大切です。
そして、補助金の活用を検討している場合には、まず10月31日までに申請予定額の連絡を行いましょう。
被災された事業者の皆様が、一日も早く事業を再建できることを願っています。
【公式情報・問い合わせ先】
くまもと事業者再出発支援補助金受付センター
電話:096-284-7660
【説明会のご案内】
※10月13日の説明会は、後日アーカイブ配信が予定されております。熊本県の情報をご確認ください。
令和8年熊本地震に係る「くまもと事業者再出発支援補助金」の”事業者向け”説明会のご案内
※この記事は2026年10月13日時点で確認できる熊本県の公表資料と、説明会での質疑応答をもとに作成しています。申請に当たっては、必ず最新の交付要綱・手引き等をご確認ください。

