40代から始める「転倒防止対策」 労災の3割を占める「見えにくいリスク」とは?

労災のなかで意外と多い「転倒」。東京労働局の最新リーフレットによると、40代からすでに身体機能の衰えが始まり、対策の必要性が高まるとのことです。今回は、その内容を踏まえつつ、熊本県内の中小企業が今から取り組める実務的な対応策をご紹介します。
転倒災害が労災の3割を占める時代
東京労働局が発表したデータによれば、2024年に同局管内で発生した「休業4日以上」の労働災害のうち、約3割が「転倒」によるものだったとのことです。しかも、転倒災害は建設業や製造業など一部業種に限らず、オフィス業務や販売職、医療・福祉の現場でも広く発生しています。
中でも注目すべきは、30~40代という「まだ若い」と思われがちな層でも、すでに加齢による身体能力の低下が始まっているという点です。
「フレイル」は40代から始まる
リーフレットでは、40代の2割が「フレイル(加齢により健康障害が起きやすい状態)」であることが紹介されています。特に「平衡機能」は、20代前半を100%とした場合、50代後半では48%まで落ち込むというデータも。
つまり、「年を取ってから」ではなく、「40代から」意識しないと、思わぬ労災につながる危険があるのです。
熊本県内企業に求められる対応とは?
熊本県内でも高齢化が進み、40代以上の従業員が職場の中心となっている中小企業も少なくありません。以下のような対策が、転倒災害を防ぐうえで有効です。
- 職場環境の点検:床の濡れ、段差、照明不足など物理的リスクの除去
- 日常的な体操・ストレッチの導入:朝礼前の5分体操など
- 健康教育の実施:加齢に伴う変化への理解促進
- 年齢に応じた作業配置の見直し:負荷の高い作業は段階的に見直し
最後に:転倒は予防できる「見えにくい労災」
転倒による災害は、「一見軽そうに見えて深刻な影響を与える」ものの代表例です。中小企業にとって、1人の離脱が業務に与える影響は小さくありません。
東京労働局の特設サイトでは、運動・食事に関する実践的な情報も掲載されています。ぜひ、職場の安全衛生対策の一環として活用をご検討ください。
参考リンク
東京労働局|加齢と転倒対策リーフレット・特設サイト
(※貴社の安全衛生委員会・朝礼・社内報などでも紹介されると効果的です)
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