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法改正情報

【2026年10月義務化】カスハラ対策指針案が発表 中小企業が今すぐ始めるべき3つの準備とは?

カスタマーハラスメント対策、あなたの会社は大丈夫ですか?

2026年1月20日、厚生労働省の労働政策審議会がカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)対策の指針案を正式に取りまとめました。

「大声で威圧する」「土下座を強要する」といった具体的な行為が例示され、2026年10月の改正労働施策総合推進法施行により、全ての事業者に対策が義務化されます。

「うちは小さな会社だから関係ない」と思われる経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、従業員数に関わらず、全ての企業が対象です。

本記事では、熊本県内で中小企業の労務管理をサポートしてきた社会保険労務士の視点から、カスハラ対策義務化の内容と、今すぐ着手すべき実務対応を分かりやすく解説します。

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?定義と具体例

カスハラの定義

カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先などから受ける、社会通念上許容される範囲を超えた言動により、従業員の就業環境が害されることを指します。

厚生労働省の指針案では、以下のような行為が具体的に例示されています。

カスハラに該当する具体的行為

  • 大声での威圧的な言動
  • 土下座の強要
  • 長時間にわたる拘束・クレーム
  • 暴力や脅迫的な言動
  • SNSでの誹謗中傷や晒し行為
  • 過度な謝罪や金銭要求

これらは単なる「クレーム」ではなく、従業員の人格や尊厳を傷つける行為であり、企業として適切に対応する必要があります。

2026年10月カスハラ対策義務化の背景と法改正内容

なぜ今、義務化されるのか?

近年、接客業や窓口業務を中心にカスハラ被害が深刻化しています。

厚生労働省の調査によると、過去3年以内にカスハラを経験した労働者は約15%に上り、特に介護・医療・接客業では3割を超える職種もあります。

その結果、従業員のメンタルヘルス悪化、離職率の上昇、人手不足の深刻化という悪循環が生まれています。

改正労働施策総合推進法の内容

2025年6月に成立した改正法により、2026年10月から全ての事業主に「雇用管理上の措置義務」が課されます。

具体的には以下の対応が求められます:

1. 事業主の方針の明確化と周知・啓発
2. 相談体制の整備
3. カスハラ発生時の迅速かつ適切な対応
4. 再発防止策の実施

中小企業ほど対策が遅れている現実

厚労省調査で明らかになった課題

実は、カスハラ対策は企業規模によって大きな差があります。

厚生労働省の実態調査では、小規模事業者ほど「特に対応していない」と回答する割合が高いという結果が出ています。

なぜ中小企業で対策が進まないのか?

  • 人的リソース不足: 専任の人事担当者がいない
  • ノウハウ不足: 何から手をつけていいか分からない
  • コスト懸念: 予算が限られている
  • 意識の差: 「うちには関係ない」という認識

しかし、これは非常に危険です。カスハラ被害を受けた従業員が退職してしまえば、採用コストや育成コストは膨大になります。

カスハラ対策、企業が今すぐ始めるべき3つの準備

義務化まで残り9ヶ月。今から準備すれば十分間に合います。

ステップ1:現状把握と方針の明確化

まず、自社でカスハラが発生しているか、現場の声を聞くことから始めましょう。

具体的なアクション:
– 従業員へのヒアリングやアンケート実施
– 過去のクレーム対応記録の見直し
– 「当社はカスハラを許しません」という方針の策定

この方針は、就業規則や社内掲示、ホームページなどで明確に示すことが重要です。

ステップ2:相談窓口の設置と体制整備

従業員が安心して相談できる窓口を作りましょう。

具体的なアクション:
– 相談窓口担当者の明確化(社内・社外)
– 相談方法の周知(メール、電話、対面など)
– プライバシー保護の徹底
– 相談したことによる不利益取扱いの禁止を明文化

小規模企業の場合、外部の専門家(社会保険労務士や弁護士)と連携する方法も有効です。

ステップ3:対応マニュアルの作成と従業員教育

実際にカスハラが発生した時の対処法を整備しましょう。

対応マニュアルに盛り込むべき内容:
– カスハラの判断基準
– 初期対応フロー(誰に報告?誰が対応?)
– 記録の取り方(録音・録画の可否含む)
– 警察や弁護士への相談基準
– 被害者のケア方法

そして、このマニュアルを全従業員に共有し、定期的な研修を実施することが大切です。

カスハラ対策で企業が得られる3つのメリット

カスハラ対策は、単なる「義務」ではありません。企業にとって大きなメリットがあります。

メリット1:従業員の定着率向上

「会社が守ってくれる」という安心感は、従業員のエンゲージメントを高めます。離職率低下により、採用・育成コストを大幅に削減できます。

メリット2:企業イメージの向上

カスハラ対策に積極的な企業は、求職者からの評価も高まります。「働きやすい会社」として認知されることで、優秀な人材の確保にもつながります。

メリット3:リスクマネジメント強化

適切な対応により、訴訟リスクや企業の信用失墜を防ぐことができます。また、顧客との健全な関係構築にもつながります。

よくある質問:カスハラ対策Q&A

Q1. 小規模事業者でも本当に義務なの?

A. はい。従業員数に関わらず、全ての事業主が対象です。

Q2. 正当なクレームとカスハラの線引きは?

A. 「社会通念上許容される範囲を超えているか」が基準です。威圧的な態度、長時間の拘束、人格否定などはカスハラに該当します。

Q3. 対策を怠った場合の罰則は?

A. 現時点で直接的な罰則規定はありませんが、厚生労働大臣による助言・指導・勧告の対象となります。また、企業名公表の可能性もあります。

Q4. 費用をかけずに対策できる?

A. 可能です。まずは方針の明確化、相談窓口の設置、マニュアル作成など、既存リソースで対応できることから始められます。

熊本県内企業の事例:カスハラ対策の実践例

熊本県内のある小売業(従業員20名)では、以下の取り組みを実施しました。

実施内容:
– 就業規則にカスハラ対策を明記
– 店頭に「当店では従業員への暴言・暴力は一切お断りします」と掲示
– 月1回、全従業員でロールプレイング研修を実施
– 顧問社労士を相談窓口として設定

成果:
– 従業員の安心感が向上し、離職率が30%減少
– クレーム対応がスムーズになり、顧客満足度も向上
– 求人応募数が前年比150%増加

まとめ:カスハラ対策は「従業員を守る経営判断」

2026年10月のカスハラ対策義務化まで、残り9ヶ月となりました。

これは単なる法令遵守ではなく、従業員の安全と尊厳を守り、企業の持続可能性を高める重要な経営課題です。

今日から始められる3つのアクション

  • 現場の声を聞く: 従業員にヒアリングを実施
  • 方針を決める: 「カスハラを許さない」という明確な姿勢を示す
  • 専門家に相談する: 社会保険労務士など外部の力も活用

「お客様は神様」から「従業員も顧客も共に尊重される関係」へ。

今こそ、健全な職場環境を作る第一歩を踏み出しましょう。

 

【お問い合わせ】
カスハラ対策でお困りの熊本県内企業の経営者・人事担当者の皆様、まずはお気軽にご相談ください。

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参考情報

第89回労働政策審議会雇用環境・均等分科会 配布資料

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