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小学館・光文社がフリーランス法違反で初の勧告|熊本の中小企業に必要な「他人事ではない」視点

2023年11月に施行された「フリーランス保護新法(通称:フリーランス法)」をめぐり、出版大手の小学館と光文社が同法違反により、公正取引委員会から初の勧告を受けました。これは大手企業の問題に見えますが、熊本を含む地方の中小企業にとっても決して無関係ではありません。今回はこのニュースを踏まえ、中小企業経営者として押さえるべきポイントと実務上の注意点を解説します。

フリーランス法の概要と違反内容

フリーランス法は、企業に雇用されず個人で仕事を請け負う人々を保護するため、2024年11月に施行されました。この法律では、業務を依頼する際、以下のような取引条件を事前に書面やメールで明示することが義務付けられています:

  • 業務内容
  • 報酬額
  • 支払期日 など

小学館と光文社は、こうした基本的な条件を明示せず、報酬の支払いも法定期限を超過していたとして、公取委から初の勧告を受けました。口頭のみの依頼や、期日の設定がなされず、支払いが90日以上遅れるケースも確認されています。

なぜ中小企業にも関係あるのか?

フリーランスとの取引は、地方の中小企業にとっても増加傾向にあります。例えば、デザイン、ライティング、動画編集、システム開発など、短期の外注やスポット業務は日常的です。

これらの取引においても、フリーランス法は適用されます。「うちは大手じゃないから関係ない」と考えていると、思わぬトラブルに発展しかねません。特に、以下のようなケースは要注意です:

  • 契約書を作成せず、口頭のみで依頼している
  • 報酬額や支払期日を明確に伝えていない
  • 支払いが遅れがちになっている

熊本の企業に求められる実務対応

法令違反とならないために、今後中小企業が取るべき具体的な対策は以下の通りです:

  1. 業務委託契約書の整備:テンプレートを用意し、依頼時には必ず内容を書面で確認する。
  2. 発注・受注時のルール作り:メールなど記録が残る方法で業務内容・報酬額・支払期日を明示する。
  3. 支払いスケジュールの管理:成果物受領後60日以内の支払いを徹底。できれば月次で管理表を作成。
  4. 社内周知と教育:法務部門がなくても、担当者レベルで法令順守意識を持たせる仕組みづくりが必要。

「取引の信頼性」が人材確保にも直結する時代へ

労働力確保がますます難しくなる中で、フリーランスも含めた多様な働き手との信頼関係は、企業の競争力そのものと言えます。「あの会社は契約がしっかりしていて安心」と思われることが、優秀な人材との継続的な関係につながります。

今回の勧告を「他山の石」とし、今一度、自社の外注管理体制を見直すきっかけにしてはいかがでしょうか。必要であれば、契約書の整備や業務委託の運用ルールについて、専門家のサポートを得ることも一つの選択肢です。

まとめ

小学館・光文社という大手企業の違反が明るみに出たことで、今後フリーランス法の運用と監視は一層強化されることが予想されます。熊本県内の中小企業も例外ではありません。信頼できる取引関係を築くためにも、今すぐできる実務対応から始めてみましょう。

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