保険証の期限切れでも受診可能?「マイナ保険証」移行に伴う厚労省の対応とは

2025年7月末をもって、国民健康保険加入者の健康保険証の7割が有効期限を迎えることをご存知でしょうか? 政府の進める「マイナ保険証」への移行に伴う措置ですが、現場の混乱を防ぐための対応も発表されました。今回は、このニュースを中小企業の経営者視点で読み解き、現場での対応や社員への情報共有のポイントを解説します。
マイナ保険証への移行で7割が期限切れに
2025年7月末をもって、自営業者などが加入する国民健康保険のうち、約1700万人分、全体の7割にあたる保険証が有効期限を迎えることになっています。これは政府の掲げる「マイナ保険証」(マイナンバーカードと保険証の一体化)への段階的移行の一環です。
期限切れでも当面は受診可能に
福岡厚労大臣は7月29日の記者会見で、医療機関に対し「保険証の有効期限が切れていても、当面の間は従来通り保険診療を受けられるよう求めている」と発言。マイナ保険証や資格確認書を持っていなくても、古い保険証を持参すれば医療機関で診療を受けられるとの方針です。
中小企業経営者としての視点:社員への情報共有が鍵
この制度変更により、従業員やその家族が「保険証が使えないのでは」と不安を抱く可能性があります。特にアルバイト・パートタイマーや国民健康保険加入者など、多様な働き方を支える企業では注意が必要です。
対応のポイント:
- 社内掲示や社内SNSで「期限切れ保険証でも当面受診可能」であることを周知する
- 「資格確認書」の交付状況など、必要な対応を人事担当者が把握しておく
- マイナンバーカード保有状況の実態を把握し、社員に対する取得促進策も検討する
安心できる職場環境づくりの一環として
今回の措置は、制度変更に伴う一時的な救済措置です。しかし、情報が行き届いていないと「受診できなかった」「窓口でトラブルになった」といった不利益が生じるリスクも。だからこそ、中小企業の経営者として、社員の安心と健康を守るための一歩として、この情報を正確に伝えることが求められます。
まとめ
マイナ保険証への移行は国全体の方向性であり、企業としても対応は避けられません。まずは「期限切れ保険証でも診療可能」という事実を共有し、必要な対応準備を整えることが重要です。制度変更の過渡期だからこそ、社員が安心して働ける環境づくりを進めていきましょう。
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