「失業保険の給付を増やせる」申請サポートに注意──不正受給トラブルを未然に防ぐために

「退職後のサポートを任せれば、失業保険の給付額が増える」とうたう申請支援サービスが問題となっています。熊本県内の中小企業経営者の皆さまにとっても、従業員の離職後トラブルを防ぐ観点から、知っておくべき内容です。
なぜ今、失業保険の「申請サポート」が問題に?
2025年12月3日、国民生活センターが「失業保険の申請サポート」に関する消費者相談の増加を受け、注意喚起を公表しました。
内容は「給付額や期間が増える」と謳うサービスに関するもので、実際には期待通りにならなかったり、違約金請求、不正受給を促す行為が含まれていたケースも報告されています。
消費者トラブルの背景にある「誤解」と「誘導」
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク)に寄せられた相談件数は、2021年度から増加の一途をたどり、2025年度は10月末時点で216件。
背景には以下のような問題があります:
– 「申請サポート」で給付額が必ず増えるかのような誇大広告
– 解約希望時に高額な違約金請求や拒絶
– 指定クリニックでの虚偽申告を誘導する不正受給の温床
中小企業の人事・労務対応としてのリスク管理
経営者として気をつけたいのは、「退職者が意図せず不正受給に加担してしまうリスク」です。
仮に元従業員が不正受給で処分された場合、「元勤務先の対応も問題だったのでは?」と企業名が取り沙汰される可能性もゼロではありません。
また、退職時の説明が不十分だった場合、「会社にだまされた」といった認識を持たれる恐れもあります。
企業が取るべき実務的アクション
1. 退職者への案内文に注意喚起を盛り込む
「失業保険(基本手当)はあくまでハローワークの審査で決まるものであり、民間事業者のサポートで増額が保証されるものではない」旨を明記しましょう。
2. 最寄りのハローワークへの相談を推奨する
労務担当者から「分からないことがあれば、直接ハローワークに確認を」と伝えるだけでも、トラブル予防につながります。
3. 顧問社労士との連携を強化する
社内だけで対応に不安があれば、顧問社労士に状況を共有し、対処方針を相談してください。
まとめ:健全な制度活用を守るために
失業保険は、社会のセーフティネットとして重要な制度です。制度を歪めるような民間サービスの問題に対しては、事業者・労働者ともに正しい知識と冷静な判断が求められます。
「退職者の安心」と「企業のリスク管理」の両立のために、正しい情報を共有し、制度の健全な活用を支援していきましょう。
※参考資料:「失業保険の金額・期間を増やせる!?という申請サポートに注意!」(国民生活センター公表資料)
PDFリンク:https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20251203_1.pdf
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