熊本県の「第2弾」後押し補助金とは? 中小企業の設備投資と賃上げを支える上乗せ支援を解説

熊本県の「第2弾」後押し補助金とは? 中小企業の設備投資と賃上げを支える上乗せ支援を解説

設備投資やDX、販路開拓に使える国・県の補助金は心強い一方で、「採択されたけれど自己負担が重い」と感じる経営者の方は少なくありません。

熊本県の「中小・小規模事業者生産性・売上げ向上後押し事業補助金(第2弾)」は、そうした自己負担分の一部をさらに支援する制度です。しかも、単なる資金支援ではなく、生産性向上等と従業員の賃上げに取り組む事業者を後押しする制度として設計されています。

今回は、熊本県内中小企業の経営者向けに、この補助金のポイントと申請時の注意点を整理します。

「熊本県中小・小規模事業者生産性・売上げ向上後押し事業補助金(第2弾)」はどんな制度か

この補助金は、国・県の対象補助事業を活用し、生産性向上等に取り組んだうえで、従業員の賃上げとパートナーシップ構築宣言を行った事業者に対し、補助事業に係る自己負担分の一部を熊本県が上乗せで支援する制度です。

県の資料では、自己負担額を1/10まで軽減できるよう設計されています。補助額は1件につき最大200万円です。さらに、対象となる国・県の補助事業が複数ある場合は、複数回申請が可能とされており、各申請ごとに上限200万円となります。

労働分野の助成金では、業務改善助成金との併用も可能ですので、申請された事業主の方はご検討ください。

対象となる事業者の主な要件

交付対象者は、熊本県内に主たる事業所を有する中小企業者等で、次の要件をすべて満たす必要があります。

第1に、県が指定する国・県の補助事業について、令和6年5月23日以降に採択を受け、かつ交付の確定を受けていることです。ただし、過去に本補助金の交付対象となった補助事業は除かれます。また、業務改善助成金は令和7年度事業以降のものに限られます。

第2に、全従業員の賃金を引き上げていることです。県の申請要領では、令和7年9月4日以降に、令和7年度の熊本県最低賃金を超える額、つまり時給1,035円以上に引き上げていることが要件とされています。なお、ここでいう従業員には、役員、個人事業主本人、事業専従者、産休・育休・介護休業・休職中の従業員等は含まれません。

第3に、パートナーシップ構築宣言を行い、ポータルサイトに登録済みであることです。

対象補助事業はどう見るべきか

県の資料では、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、中小企業省力化投資補助金、事業再構築補助金、事業承継関連補助金、業務改善助成金、くまもと型小規模事業者経営発展支援事業補助金、後継ぎ応援事業補助金などが対象として挙げられています。

ただし、ここは注意が必要です。同じ補助事業名でも、枠やコースによっては対象外となる場合があります。個別の枠やコースの詳しいところは、この記事では割愛しています。実際の申請前には、必ず申請要領で自社の採択内容を確認したいところです。

申請で特に気をつけたい実務ポイント

実務上、特に重要なのは賃上げの証明です。申請には、引き上げ前と引き上げ後の賃金台帳の写しが全従業員分必要で、連続する2か月分として提出することが求められています。しかも、給与明細、出勤簿、源泉徴収簿等では受け付けられません。

また、賃金の支払形態が時給以外の場合は、賃金引上げセルフチェックシートの添付が必要です。月給者や日給者がいる場合の具体的な計算の詳しいところは、申請要領と参考様式を確認する必要があります。記事ではそこまでは断定せず、事前確認が必要と考えておくのが安全です。

申請前にそろえたい書類

主な添付書類としては、採択日が分かる資料、交付確定通知書、最終的な補助対象経費が分かる資料、引き上げ前後の賃金台帳、通帳の写し、必要に応じたセルフチェックシート、パートナーシップ構築宣言、個人事業主の場合の本人確認書類などが示されています。

補助金の申請は、「要件を満たしていること」だけでなく、「それを示す書類が整っていること」が重要です。採択通知、交付確定通知、実績報告の控え、賃金台帳などは早めに整理しておくと安心です。

申請期間と経営者へのメッセージ

申請期間は令和8年2月2日から令和9年1月29日までですが、予算額に達した場合は期限前でも受付終了となります。対象になりそうな場合は、後回しにせず準備を進めた方がよいでしょう。

この制度は、設備投資や業務改善の成果を賃上げにつなげる事業者を支える仕組みです。人手不足と物価高が続く今、投資と処遇改善を同時に進める企業ほど活用価値が高い制度といえます。自社が対象になりそうか迷う場合は、申請要領を確認したうえで、早めに必要書類の洗い出しを進めることをおすすめします。