若者に広がる「退職代行」、中小企業が抱える法的リスクと対応策とは?

退職代行サービスの利用が若年層を中心に急増していますが、その一方で「弁護士法違反の恐れがある」として東京弁護士会が異例の注意喚起を行いました。企業が知らずに対応を誤ると、思わぬ法的トラブルに巻き込まれるリスクも。今回は、熊本県内中小企業の経営者に向けて、退職代行にまつわる最新動向と実務上の対応ポイントを解説します。
退職代行が急増する背景とその実態
近年、退職代行サービスは、特に20代の若手労働者を中心に浸透しています。就職情報会社マイナビの調査によれば、20代転職者の18.6%が利用経験ありとされ、労働環境や上司との関係から直接辞意を伝えることが難しいケースが背景にあると見られます。退職代行は「本人に代わって退職意思を伝える」サービスですが、その実態は一様ではなく、「弁護士が関与していない交渉型のサービス」も多く存在します。
非弁行為のリスクとは?
東京弁護士会は2024年11月に、退職代行業者による一部行為が「弁護士法違反=非弁行為」に該当する可能性を示唆。業者が自ら、あるいは労働組合を“名目上”通して交渉を行い、その実態が報酬を受け取っての代理交渉であれば、非弁行為にあたるとされます。こうしたサービスを介して退職が行われた場合、企業側が安易に応じると、法的適合性のない手続きに巻き込まれるリスクもあります。
熊本県内企業が取るべき実務対応とは
熊本の中小企業においては、以下のような対応が望まれます:
1. 退職の意思表示は本人または代理人弁護士に限定する方針の徹底
企業の就業規則や対応マニュアルに、正式な退職の申し出は「本人または正当な代理人(弁護士)」から受けることと明記しましょう。
2. 労働組合経由の申し出に対する慎重な検討
業者経由で「労働組合」と名乗る者から申し出があった場合、その実態を丁寧に確認することが重要です。場合によっては弁護士に相談し、非弁行為に該当しないか検討する必要があります。
3. 従業員との日常的な対話の強化
退職代行の背景には、「直接辞めたいと言えない職場風土」があることも見逃せません。定期的な1on1面談や意見箱の設置など、早期の離職兆候をキャッチする仕組みづくりも重要です。
最後に:法令順守と誠実な対応が企業の信頼を守る
退職代行は一過性のブームではなく、今後も定着する可能性があります。その中で、企業が重要なのは「法令を守る姿勢」と「従業員に誠実に向き合う文化」です。熊本県内でも、安心して働ける職場づくりと、法的リスクを回避するための備えを、ぜひ今から講じていただきたいと思います。
以上、退職代行をめぐる最新の動向と企業としての実務的視点をお届けしました。労務管理に関するご相談があれば、当研究所までお気軽にご相談ください。
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