社会保険労務士 荻生労務研究所では、2026年8月11日から、24時間365日、無料で利用できる「労務相談AI」の提供を開始しました。
この労務相談AIの特徴は、単に労働法令や社会保険制度などの知識を回答するだけではなく、社会保険労務士・荻生清高が実務で大切にしている考え方や価値観、労務問題に向き合う際の判断軸を反映していることです。
労務問題は、法令や制度を調べれば、それだけで答えが出るとは限りません。
会社の状況や働く人の立場を踏まえながら、「この問題をどう整理するのか」「会社としてどのように対応するのか」「よりよい労使関係を築くためにはどう考えるべきか」といった視点も必要になります。
そこで私は、これまで社会保険労務士として労務相談に対応する中で培ってきた考え方や判断の視点をAIに反映し、相談者自身が問題を整理するために利用できる仕組みを作りました。
「社労士に相談するほどのことだろうか」
「まずは自分が抱えている問題を整理したい」
そんな段階でも気軽に利用していただき、必要であれば、その先の社会保険労務士への相談につなげる。
労務相談AIを、そんな新しい「相談の入口」にしたいと考えています。
目次
「労務相談AI」とは?
「労務相談AI」は、人事・労務に関する疑問や困りごとについて、AIとのチャットを通じて問題を整理できるサービスです。
24時間365日、無料で利用できます。メールアドレスや氏名などを登録する必要もありません。
主に、会社の経営者、人事・労務の責任者、人事部長など、職場の労務管理について判断する立場の方の利用を想定していますが、それ以外の方にもご利用いただけます。

相談できるテーマは、労働時間、休日・休暇、36協定、社会保険、就業規則、職場のトラブル、ハラスメント、助成金など、人事労務に関するさまざまな疑問です。
チャット画面には、よくある質問をあらかじめ用意しているほか、任意の質問を入力することもできます。最初の回答に対して、さらに1回、追加の質問をすることも可能です。
AIとのやり取りを通じて「専門家に相談した方がよさそうだ」「自社の場合について具体的に確認したい」と感じた場合には、画面から荻生労務研究所への電話や相談フォームに進むことができます。
一般的な生成AIとの違い――特定社会保険労務士・荻生清高の「考え方」を反映
現在では、労働法令や社会保険制度について一般的な質問をすれば、さまざまな生成AIから一定の情報を得られるようになりました。
では、なぜ私があらためて「労務相談AI」を作ったのか。
それは、知識だけではなく、私自身の「考え方」を反映したAIを作りたかったからです。
このAIに搭載したかったのは、私の「知識」だけではありません。労務問題に向き合うときの「考え方」そのものです。
同じ労務問題であっても、専門家によって問題の捉え方や、相談者に対して何を重視して伝えるかは必ずしも同じではありません。
私は、労務問題を単に「会社と労働者のどちらが正しいか」という視点だけで捉えるのではなく、法令を守ることを前提としながら、企業とそこで働く人の双方が、よりよい関係を築くためにはどうすればよいのか、という視点を大切にしています。
労務相談AIには、事前に整理した私自身の考え方や価値観、労務問題に対する判断基準を反映しています。
もちろん、AIが私本人になるわけではありませんし、私が実際に個別の事情を詳しく伺ったうえで行う判断と、AIの回答が常に同じになることを保証するものでもありません。
それでも、AIとのやり取りを通じて、
「荻生という社労士なら、この問題をどのような方向から考えるのか」
を、相談する前にある程度知っていただくことはできると考えています。
これは、単に「社労士が監修したAI」というだけではなく、一人の社会保険労務士が持つ考え方や判断の視点に触れてもらうためのAIでもあります。
なぜ「労務相談AI」を作ったのか
社会保険労務士への相談には、少なからず心理的なハードルがあると思います。
「こんなことを聞いてもよいのだろうか」
「まだ問題になっていないのに相談してよいのだろうか」
「どのように説明すればよいのか分からない」
そう考えて、問題を抱えたまま時間が経ってしまうこともあるでしょう。
一方で、労務問題は、問題が大きくなってから対応するよりも、早い段階で状況を整理し、必要な対応を考える方が選択肢を持ちやすくなります。
AIを使えば、時間を気にせず、まず自分の疑問を投げかけることができます。
しかし、私が労務相談AIを作った理由は、単に「24時間いつでも回答できるから」だけではありません。
私は、実際に相談する前に、私がどのような考え方をする社会保険労務士なのかを知っていただきたいと考えました。
専門家を選ぶ際には、資格や知識、経験だけでなく、「この人は自分の問題をどのように考えるのか」「この人になら相談できそうか」という相性も大切だと思うからです。
まずAIに相談してみる。
そこで私の考え方や問題の捉え方に触れてみる。
そして、「もう少し具体的に相談してみたい」と思ったときには、私自身に相談していただく。
労務相談AIは、AIによって社会保険労務士を置き換えるために作ったものではありません。
むしろ私は、AIを使うことで社会保険労務士への相談を身近なものにし、困っている人と専門家がつながる機会を増やしたいと考えています。
どのような労務相談ができる?
労務相談AIでは、企業の人事・労務管理に関するさまざまな疑問について相談できます。
たとえば、労働時間や休日・休暇、36協定、社会保険、就業規則、職場のトラブル、ハラスメント対応、助成金などです。

2026年8月11日の運用開始後には、実際に「36協定の届出」「ハラスメントの相談を受けたときの初動」「業務改善助成金」などについて質問が寄せられています。
労務問題の中には、明確な答えをすぐに出せるものもあれば、会社の状況やこれまでの経緯などを確認しなければ判断できないものもあります。
そのため労務相談AIでは、すべての問題について結論を出すことよりも、まず相談者が抱えている疑問や問題を整理し、次に何を確認し、どのような対応を考えるべきかを示すことを重視しています。
「労務相談AI」はどのような情報をもとに回答している?
労務相談AIの回答は、大きく分けて三つの要素をもとに構成されています。
一つ目は、社会保険労務士・荻生清高の考え方や価値観、労務問題に対する判断基準です。
私が実際に労務相談を受ける際に何を重視し、どのような視点から問題を整理するのか。その考え方を事前に整理し、AIへの指示に反映しています。
二つ目は、労務管理に関係する法令や行政情報などの参照情報です。
重要な法律等について必要な情報を整理したサマリーを登録し、法令や行政機関の情報を踏まえて回答できるようにしています。
三つ目は、社会保険労務士本人による確認と更新です。
労働・社会保険関係の法令や制度は、法改正や行政の運用変更などによって内容が変わります。そのため、参照する情報を一度登録して終わりにはせず、必要な情報を確認し、私自身が内容を目視で精査したうえで、随時登録・更新できる仕組みにしています。
つまり、労務相談AIは単に生成AIの一般的な知識だけに回答を任せるのではなく、
私自身の考え方・判断軸
+ 法令・行政情報などの参照情報
+ 社会保険労務士本人による確認・更新
を組み合わせて運用しています。
もちろん、このような仕組みを設けても、AIの回答が常に正しいことを保証できるわけではありません。
だからこそ、AIにできることと、人間の専門家が判断すべきことを分けながら運用することが重要だと考えています。
安心してご利用いただくために
労務相談では、従業員の個人情報や会社の機密情報を扱う場合があります。
そのため労務相談AIでは、相談を始める前に「ご利用にあたって」を表示し、サービスの位置づけや利用上の注意点を確認できるようにしています。
入力画面では、従業員名、会社名、住所、電話番号、メールアドレス、給与明細、病歴、妊娠、障害、ハラスメント事案、マイナンバーなどの個人情報・機密情報を入力しないよう注意を表示しています。相談に必要な場合でも、個人や会社を特定できないよう匿名化したうえで入力してください。
入力された相談内容がAIモデルの学習に利用されることはありません。また、通信やアクセス制御など、サービスを運用するうえで必要なセキュリティ対策も講じています。
さらに、AIだからといって、どのような質問にも回答する設計にはしていません。
法令違反や不適切な行為を助長する内容、労働者の権利を不当に侵害するような内容などについては回答を制限する仕組みを設けています。また、税務など社会保険労務士の業務範囲を超える相談についても、回答できる範囲を制限しています。
労災、暴力、自殺のおそれなど、緊急性がある相談については、労務相談AIだけで対応しようとせず、速やかに適切な専門家や行政機関などへ相談してください。
「AIだから何でも答える」のではなく、答えるべきではないことには答えない。
これも、専門家が労務相談にAIを活用するうえで大切な考え方だと思っています。
AIだけで労務問題を解決することを目的としていません
労務相談AIは、社会保険労務士 荻生労務研究所が監修する、一般的な情報提供と問題整理のためのAIです。
個別案件の代理・受任・書類作成を行うものではなく、個別具体的な事情を踏まえた法律上・実務上の判断を、AIだけで完結させることを目的としていません。
実際の労務問題では、同じように見える相談であっても、会社の規模、就業規則、雇用契約、これまでの経緯、当事者間の関係などによって、必要な対応が変わることがあります。
そのような問題について適切に判断するためには、個別の事情を確認したうえで、人間の専門家が対応する必要があります。
だからこそ私は、
AIで疑問を投げかける。
AIと一緒に問題を整理する。
必要であれば、人間の専門家に相談する。
という使い方を想定しています。
労務相談AIのチャット画面には、荻生労務研究所への電話や相談フォームにつながるボタンも設けています。
AIとのやり取りだけで問題が整理できれば、それも一つの成果です。
一方、具体的な判断や対応が必要な問題であれば、そこで終わらせず、社会保険労務士その他の適切な専門家につながることが大切です。
AIと社会保険労務士は、どちらか一方を選ぶものではありません。
私は、AIが相談の入口を広げ、人間の専門家が必要なところで具体的な問題解決を支援する。
そのような関係を作ることができれば、これまで専門家への相談をためらっていた人にも、必要な支援を届けやすくなるのではないかと考えています。
まずは「労務相談AI」を試してみてください
「こんなことを社会保険労務士に相談してもよいのだろうか」
「まだ具体的なトラブルにはなっていないけれど、少し気になる」
「まず、自分が抱えている問題を整理したい」
そのような段階でも構いません。
労務相談AIは、24時間365日、無料で利用できます。メールアドレスや氏名などの登録も必要ありません。
まずはAIに疑問を投げかけ、問題を整理してみてください。
そして、より具体的な判断や対応が必要になったときには、社会保険労務士 荻生労務研究所へご相談ください。
よくある質問
Q.「労務相談AI」は本当に無料ですか?
はい。24時間365日、無料で利用できます。利用にあたってメールアドレスや氏名などを登録する必要もありません。
Q.どのような相談ができますか?
労働時間、休日・休暇、36協定、社会保険、就業規則、職場のトラブル、ハラスメント対応、助成金など、人事・労務に関する疑問について相談できます。
ただし、個別具体的な判断が必要な問題については、社会保険労務士その他の専門家へご相談ください。
Q.入力した相談内容はAIの学習に使われますか?
いいえ。労務相談AIに入力された相談内容が、AIモデルの学習に利用されることはありません。
ただし、個人情報や会社の機密情報は入力しないでください。相談上必要な場合は、個人や会社を特定できないよう匿名化してご利用ください。
Q.個人情報を入力しても大丈夫ですか?
従業員名、会社名、住所、電話番号、メールアドレス、給与明細、病歴、妊娠、障害、ハラスメント事案、マイナンバーなどの個人情報・機密情報は入力しないでください。
入力画面にも同様の注意事項を表示しています。
Q.AIの回答だけで会社としての対応を決めてもよいですか?
労務相談AIは一般的な情報提供と問題整理を目的としており、個別具体的な法律判断やコンサルティングを行うものではありません。
会社として具体的な判断や手続きが必要な場合には、社会保険労務士その他の専門家へご相談ください。

