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法改正情報

鋼材物流ガイドライン|熊本の建設業に求められる「発注の見直し」

日本鉄鋼連盟が「鋼材物流ガイドライン」を発表しました。背景にあるのは、ドライバー不足・高齢化という全国的な課題です。今回のルールは、ピンポイント時間指定の禁止や発着主間の連携強化を柱とし、違反時には追加費用請求の可能性も示されています。
熊本では半導体関連工場の建設や復興需要で鋼材輸送のニーズが高まっており、建設業の現場にとっても他人事ではありません。本記事では、建設業の「荷主側」として押さえるべきポイントを整理します。

1. ガイドラインの主なルール

  • ピンポイント指定の禁止:「朝8時に必ず持ってきてほしい」といった依頼は不可
  • 時間帯指定への移行:8〜10時など幅を持たせた指定を原則とする
  • フリー化の検討:納入時間を指定しない柔軟な対応も推奨
  • 発着連携の重視:発注側が受入れ体制を整え、運送側と情報を共有することが求められる
  • 非効率な依頼への追加費用:短納期・低積載・突発オーダーなどはコスト増の可能性あり

2. 熊本の建設業が直面する課題

  • 復興・再開発ラッシュ:熊本駅周辺整備や熊本城復旧などで資材需要が集中
  • 半導体関連特需:菊陽町を中心とした大規模工場建設で鋼材輸送が急増
  • 現場スケジュールの逼迫:工期短縮圧力により「朝一納入」の依頼が常態化

これらの実態は、ガイドラインが問題視する「ピンポイント指定」「短納期依頼」と重なります。結果として、運輸業から追加費用を求められるリスクが高い状況です。

3. 荷主側としての対応ポイント

1. 発注の仕方を見直す
工期の余裕を見据え、突発的な短納期オーダーを減らす。

2. 工程管理と連携強化
現場監督・調達担当・運輸業者の間で納入計画を共有し、荷待ち時間を削減。

3. コスト増を回避する交渉術
運輸業者にとって非効率な依頼は、必ずしも従来通りのコストでは対応できません。早期に協議の場を設け、双方に無理のない契約を組むことが重要です。

4. 荷主の非効率な依頼は荷主に跳ね返る

荷主が非効率な依頼を続ければ、ドライバーの長時間労働を助長し、労災や事故リスクにもつながります。結果として、建設現場そのものの安全管理責任や取引先との信頼関係にも悪影響を及ぼしかねません。
物流を「外部依頼」と切り離すのではなく、労務リスク管理の一環として捉えることが必要です。

まとめ

今回のガイドラインは「物流効率化」を掲げていますが、その本質は労働条件改善と持続可能なインフラ維持にあります。
熊本の建設業にとっては、単なるルール遵守ではなく、発注の仕方や工程管理を見直し、運輸業者と協力する体制を整えることが、生産性向上とコスト管理の両立につながります。

「物流を味方につける建設会社」こそが、これからの競争を勝ち抜ける企業になるでしょう。

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