20代が重視する「給与以外の条件」とは? 中小企業が採用戦略に取り入れるべき3つの視点

人材獲得競争激化する中、若年層の志望度を高めるために必要なことは「給与額」だけではありません。最新の調査結果から、20代が企業選びで重視するポイントを読み解き、中小企業が実践可能な対応策を検討します。
完全週休2日制が志望度トップ
就職支援事業を展開するジェイックの調査によると、20代の求職者が「志望度が上がる企業の労働条件(給与額以外)」として最も多く挙げたのは「完全週休2日制」(57.9%)でした。
次いで「年間休日120日以上」(45.2%)、「転勤なし」(34.9%)と続き、いずれも“働き方の安定性”や“生活とのバランス”が重視されている傾向がうかがえます。
中小企業こそ「見える化」と「選ばれる仕組み」を
調査結果からは、求職者の価値観の変化とともに、採用活動において開示すべき情報の質が問われていることがわかります。具体的には:
- 勤務条件の見える化:完全週休2日制や年間休日数、有給取得率、平均残業時間などを求人票や採用ページで明示
- 転勤の有無の記載:地域密着型の中小企業にとっては「転勤なし」が大きな訴求ポイントに
- キャリア支援の提示:研修制度、スキルアップの支援、資格取得支援などを明文化し、求職者に安心感を
熊本の中小企業にとってのチャンス
熊本県内の中小企業は、都市部に比べて人材確保が難しい一方で、地域密着・小回りの利く労務設計が可能です。今回の調査は、企業規模の大小にかかわらず、求職者が「休日・勤務地・成長機会」を重視していることを示しており、熊本の企業にとっても採用戦略の再構築のヒントとなるでしょう。
まとめ
20代の志望度を高める鍵は「給与+α」。特に「完全週休2日制」「年間休日120日以上」「転勤なし」といった制度設計は、働きやすさの土台として注目されています。中小企業においても、柔軟な制度導入と情報開示を通じて、共感と信頼を得られる採用活動が求められます。
採用に関する労務制度の見直しや求人票作成のご相談は、当事務所までお気軽にお問合せください。
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