5割近くが経験「退職代行による離職」いま企業が備えるべき対応とは

退職の意思を本人に代わって伝える「退職代行サービス」が、ついに中小企業にも本格的に浸透しつつあります。大阪労働局の調査では、約5割の企業が過去に利用者がいたと回答。特に20代社員の離職が目立ちます。本記事では、退職代行の実態と背景を踏まえ、熊本県内の中小企業が取るべき対策を実務視点で解説します。
退職代行サービスとは?
退職代行とは、本人に代わって退職の意思を会社に伝え、退職手続きの代行を行うサービスです。主に弁護士・労働組合・民間企業が提供しており、近年はSNSなどで若年層を中心に認知が拡大しています。
大阪労働局の調査結果
2025年8~9月にかけて実施された調査では、退職代行による離職者が「いた」と回答した企業が48.7%。特に従業員規模500人以上では73.3%と高水準ですが、100人未満でも約3割(29.6%)が経験しています。退職者の年齢は20代が最多(73.5%)で、退職理由として「退職を言い出しにくい雰囲気」「孤立感」が挙げられました。
中小企業にとってのリスクとは?
退職代行を通じた離職は、突然の連絡・即日退職・引継ぎ困難といった問題を生じさせます。中小企業では担当者が限られるため、業務への影響も大きく、リスクが高まります。
根本原因は「コミュニケーション不足」
「言い出しにくい雰囲気」「孤立感」というキーワードから、表面的な人間関係ではなく、心理的安全性の欠如が背景にあることが見えてきます。実際には「関係性は良好だった」とするケースもあり、本人の主観と会社の認識のズレがトラブルの温床となっている可能性があります。
いま求められる企業の備え
1. 退職手続きの整備:マニュアル化と対応フローの明確化
2. 定期的な1on1ミーティング:退職前の違和感の早期発見
3. ハラスメント対策と相談窓口の整備:言い出せる雰囲気づくり
4. 引継ぎを意識した業務設計:属人化を減らす体制づくり
荻生の視点
退職代行の増加は「突然の出来事」ではなく、「見えづらいサインを見逃してきた結果」です。中小企業だからこそ、「顔が見える職場」であることが強みになります。だからこそ、社員の声に丁寧に耳を傾け、違和感を感じたら放置しない仕組みが重要です。
まとめ
退職代行の普及は、従業員との関係性の質を見直す一つのきっかけです。熊本県内の中小企業においても、「言い出しにくさ」に着目し、日頃からの関係構築を意識することで、予防できる離職が増えるのではないでしょうか。
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