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ベンチャー・スタートアップ支援

IPOやM&Aで“詰む”!?EXIT前に見直すべき社会保険の落とし穴

EXITにおける“社会保険の落とし穴”とは?

IPOやM&AなどのEXIT(イグジット/エグジット)を見据える大学発ベンチャーやスタートアップ。
その労務管理の落とし穴として、最も多いのが社会保険の不備です。

上場審査やM&Aの労務デューデリジェンスでは、「社会保険の未加入リスク」や「法令違反の可能性」が厳しくチェックされます。
ここで引っかかると、上場スケジュールが遅れる/最悪中止になる/評価額が下がるなど、重大な影響が出る可能性があります。

 

パートタイマーの社会保険未加入、実は重大リスク

強制適用の基準とは?

一定の労働時間や労働日数、会社規模によってはパートタイマーでも社会保険の加入が義務になります。

  • 週20時間以上働いている
  • 月額賃金が88,000円以上
  • 従業員数が51人以上(特定適用事業所)
  • 上記の要件を満たさなくても、「1週の所定労働時間」および「1ヵ月の所定労働日数」が、
    同一の事業所に使用される通常の従業員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3以上である従業員

こうした条件を満たすと、パート・アルバイトであっても社会保険の強制適用対象になります。

 

なぜ見落とされる?よくある誤解

特に地方の企業やベンチャー企業では、

「パート・アルバイトだから社保に入れなくていい」

という誤解がまだ根強く、加入漏れが起こりやすいポイントです。

 

取締役の社会保険、“二重加入”や“未加入”の落とし穴

本業が大学教授の場合の典型ミス

大学発ベンチャーでは、大学教授などが取締役として就任するケースも多くあります。
ここでよくあるのが、「副業先の法人で社会保険に入れてしまう」パターンです。

しかし、大学教授は共済組合加入者であり、厚生年金保険・協会けんぽへの二重加入はできません。
この誤処理は制度違反となり、訂正が求められます。

 

逆に「加入させるべきなのに未加入」のケースも

一方で、副業とはいえ実質的に常勤で活動し、報酬も得ているにも関わらず、
社会保険に加入していないという「未加入状態」も問題になります。

どちらも役員の属性や勤務実態を正確に判断しないと、リスクが高まります。

 

EXIT審査で発覚したらどうなる?現実の影響

さかのぼり納付のインパクト

労務デューデリで社会保険未加入が判明した場合、
過去分の保険料の納付が求められます。

問題はここから。

  • 従業員負担分の保険料を後から徴収するのは現実的に困難
  • 実質的に会社が全額負担しなければならないケースも
  • 従業員の所得税や源泉徴収の修正も必要になり、対応が複雑化

 

上場スケジュール・M&A評価額への打撃

こうした問題があると、EXITプロセスが止まる/スケジュールが大幅に遅れることがあります。
場合によっては、M&Aの破談や上場中止という最悪のシナリオも起こり得ます。

 

コンプライアンスの甘さは“企業価値”を下げる

社会保険の取り扱い一つで、
企業の「法令順守姿勢」や「内部管理体制の甘さ」が疑われます。

EXIT時は、企業の成長可能性と同時に、法的リスクの有無も厳しく評価されます。
その結果、企業価値が下がる/買い手の印象が悪くなるという結果を招くことも。

 

EXITを視野に社会保険を見直すなら今がタイミング

社会保険の適用ミスは、事業初期には軽視されがちですが、
EXITを目指す企業にとっては、致命的なボトルネックになることがあります。

設立時からIPO・M&Aを見据えた労務体制を構築することが、結果として会社の価値を守ります。

「うちのパート、本当は社保に入れないといけない?」
「大学教授を役員にしてるけど、報酬出してて社保どうすれば…?」

そんな悩みがあれば、今こそ社会保険を見直すタイミングです。

当事務所では、大学発ベンチャー・スタートアップのEXITを見据えた労務管理をサポートしています。
お気軽にご相談ください。

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