【令和7年度版】雇用保険料率は、いつの給与・賞与から変えればいいのか?

社会保険労務士の、荻生清高です。
今回は、雇用保険料を、いつの給与・賞与から変更すればいいかを解説します。
参考になさってください。
令和7年度の雇用保険料率は、1,000分の1の引下げが決定
令和7年度の雇用保険料率は、令和6年度から1,000分の1(0.1%)の引下げとなります。
(給与天引きする労働者負担分は、1,000分の0.5(0.05%)の引下げです。)
厚生労働省「雇用保険料率について」各年度の雇用保険料率
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000108634.html
新しい雇用保険料率は、いつから適用するのか? 時期判断の原則
まず、雇用保険料は、原則として年度単位で適用されます。
具体的には、4月から翌年の3月までの適用となります。
通常では4月に、保険料が変わりますが、この料率はいつの給与・賞与から適用されるのでしょうか?
給与の雇用保険料率は「4月1日以降に給与締日の来る給与」から変更する
新しい雇用保険料率で、計算するかどうかは、「4月に支払義務の確定した賃金」であれば、新しい保険料率を適用します。
具体的には、4月1日以降に締日が到来する給与等から、新しい料率が適用されます。
例1 給与締日:15日、支払日:同じ月の25日 →4月15日締日、4月25日支給日の給与から引き上げ
例2 給与締日:25日、支払日:翌月の10日 →4月25日締日、5月10日支給日の給与から引き上げ(4月10日支給日の給与は旧料率で計算)
例3 給与締日:末日、支払日:翌月の15日 →4月30日締日、5月15日支給日の給与から引き上げ(4月15日支給日の給与は旧料率で計算)
賞与については、「4月1日以降に、賞与計算期間の締日が来た賞与」から料率を変更する
賞与計算期間については、就業規則・賃金規程などの規定に定めているかと思いますので、ご確認ください。
(定めのない場合は、この機会に就業規則に定めましょう。弊所までご相談ください。)
変則的だった令和4年(2022年)
通常、雇用保険料は年度単位で適用されますが、変則的だったのが2022年です。
この年は、年度途中の10月に、雇用保険料率が引き上げられました。
この年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、雇用保険の財政が悪化したため、財政の健全化を図るために年度途中で料率を引き上げました。
2022年の給与の雇用保険料率は「10月1日以降に給与締日の来る給与」から変更された
変更後の雇用保険料は、令和4年10月の賃金から適用されました。
これを原則に沿って言い直すと、「10月に支払義務の確定した賃金から」新しい保険料が適用されました。
具体的には、10月1日以降に締日が到来する給与等から、新しい料率が適用されることになりました。
例1 給与締日:15日、支払日:同じ月の25日 →10月15日締日、10月25日支給日の給与から引き上げ
例2 給与締日:25日、支払日:翌月の10日 →10月25日締日、11月10日支給日の給与から引き上げ(10月10日支給日の給与は旧料率で計算)
例3 給与締日:末日、支払日:翌月の15日 →10月31日締日、11月15日支給日の給与から引き上げ(10月15日支給日の給与は旧料率で計算)
なお、給与計算期間の中途に、10月1日を挟む場合であっても、10月1日の前後で料率を分ける必要は無いとされました。
例えば例1の場合、9月16日から10月15日までの給与計算期間は、9月30日までの旧料率の期間を含みますが、すべて10月1日以降の新しい料率で計算することになりました。
めったに無い事態ですが、それだけに間違えやすいところです。
給与計算システムの設定変更などを、確実に行うとともに、計算後のチェックを忘れずに心掛けましょう。
2022年の雇用保険料は、賞与については、「10月1日以降に、賞与計算期間の締日が来た賞与」から料率を変更した
これも原則通りの適用でした。
賞与計算期間を具体的に定めてない事業主様からの、ご相談が相次いだことを覚えています。
雇用保険料率についてのご質問はもちろん、労務管理についてお尋ねしたいこと・困ったことなどございましたら、お気軽に当事務所あてご相談ください。
関連記事
-
歩合給の効力が否定された裁判例【サカイ引越センター事件 東京地裁立川支部令和5年8月9日判決】 歩合給の効力が否定された裁判例【サカイ引越センター事件 東京地裁立川支部令和5年8月9日判決】 -
無断欠勤を続けた社員は、処分を経て普通解雇すべきか? 自然退職を適用すべきか?/リハビリ出勤の復職可否判断【ツキネコほか事件 東京地裁令和3年10月27日判決 ほか】 無断欠勤を続けた社員は、処分を経て普通解雇すべきか? 自然退職を適用すべきか?/リハビリ出勤の復職可否判断【ツキネコほか事件 東京地裁令和3年10月27日判決 ほか】 -
起業時から始める労務管理のススメ:IPOやM&Aを見据えたシステム導入の重要性 起業時から始める労務管理のススメ:IPOやM&Aを見据えたシステム導入の重要性 -
熊本県の人手不足をどう解消する? TSMC進出の影響と社労士が教える対策 熊本県の人手不足をどう解消する? TSMC進出の影響と社労士が教える対策 -
求人が集まらない理由と解決策:応募者が注目するポイントを徹底解説 求人が集まらない理由と解決策:応募者が注目するポイントを徹底解説 -
No Image 熊本で相次ぐ、女性従業員の制服見直し 学生の会社選びに与える影響は?