「月給だから大丈夫」は危険!短時間正社員でも労働時間管理が必要な理由

月給制=労働時間管理不要?その思い込みがトラブルの元に
熊本県内の大学発スタートアップや学生起業家の間では、専門知識を持つ副業人材を短時間の月給制で受け入れるケースが増えています。特に、熊本大学や他の地元大学を中心に、起業志向の強い若者が次々とビジネスにチャレンジしています。
このような企業文化の中で、「月給制なら労働時間の管理は不要では?」という声を耳にすることがありますが、それは大きな誤解です。
「うちはベンチャーだから」と油断しないために
労働基準法において、使用者には労働時間の把握と管理が義務付けられています。これはフルタイムに限らず、短時間勤務者でも適用されます。
実際、所定の労働時間を超えて勤務した場合、月給制であっても超過時間分の賃金(割増含む)を支払う義務があります。特にスタートアップでは「成果重視」の文化から見逃されがちですが、労働者からの請求や労務トラブルに発展するリスクを軽視してはいけません。
労働時間管理の重要性:トラブル回避と生産性向上の両立
短時間勤務の社員が所定時間を超えて働いていた場合、それが本人の業務スキルの問題なのか、業務設計に無理があるのかを見極めることが大切です。労働時間の記録は、そうした業務改善や生産性分析にも役立ちます。
さらに、過重労働の兆候が見られた場合は、所定労働時間の見直しや契約内容の再設定が必要になることもあります。
熊本のスタートアップ支援拠点と連携した対応も可能
当事務所は、熊本市中心部にある「びぷれすイノベーションスタジオ」にて開業しており、地域のスタートアップ支援拠点「XOSSPOINT.」ともつながりがあります。これにより、起業家や学生起業家の方が集まるコミュニティの中で、実際の事業環境に即した労務サポートを提供できる体制を整えています。
熊本で起業する方々の成長を支えるパートナーとして、法令遵守はもちろん、経営リスクの最小化にも注力しています。
今すぐできる労務対策
まずは、短時間勤務の月給社員であっても、日々の勤務時間を明確に記録できる勤怠管理の仕組みを導入しましょう。クラウド勤怠管理サービスを活用することで、手軽に始めることが可能です。
これにより、万が一の紛争時に備えることができ、また経営側が適切な業務改善を図る材料にもなります。
熊本での起業を、強固な土台で支えるために活動しています
「うちは月給だから大丈夫」という思い込みは、スタートアップの成長を妨げる火種にもなり得ます。熊本という地域で挑戦する起業家の皆さんが、より持続可能で健全な経営を行うために、今こそ労務管理の基本を見直すことが重要です。
当事務所は、びぷれすイノベーションスタジオを拠点に、熊本の大学発ベンチャーや学生起業家の皆様とともに歩む労務支援を行っています。お気軽にご相談ください。
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