【更新情報:2026年8月7日更新】
厚生労働省は2026年8月7日、「令和8年熊本地震に伴う労働基準法や労働契約法等に関するQ&A」を公表しました。
本記事についても、この最新Q&Aで示された休業手当や雇用調整助成金等の考え方を踏まえて内容を更新しています。
このたびの令和8年熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
熊本県内では、建物や設備の損壊だけでなく、停電や断水、道路の寸断などにより、通常どおり事業を継続できない企業も少なくありません。
そのような中、多くの経営者の方から寄せられているご相談が、
「会社を休業した場合、休業手当は支払わなければならないのでしょうか。」
というものです。
結論から申し上げると、「地震だから休業手当は不要」と一律に判断することはできません。
災害による休業であっても、休業手当の支払いが必要となる場合もあれば、労働基準法上は支払い義務が生じない場合もあります。
今回、厚生労働省から公表された「令和8年熊本地震に伴う労働基準法や労働契約法等に関するQ&A」では、この判断について重要な考え方が示されています。
特に押さえておきたいのが、会社の施設や設備が地震によって直接被害を受けた場合と、会社自体には直接被害がないものの、取引先の被災や道路・鉄道などの被害によって休業する場合とでは、休業手当を判断する際の出発点が異なるということです。
また、労働基準法上の休業手当の支払い義務がない場合であっても、労働契約や就業規則、これまでの労使慣行などによっては、賃金や手当の支払いが必要となることもあります。
そのため、災害時の休業については、単に「地震だから」「会社も被災したから」と判断するのではなく、自社がどのような状況に置かれていたのかを具体的に整理することが重要です。
誤った判断をすると、後日、労働基準監督署から説明を求められたり、従業員とのトラブルに発展したりする可能性もあります。
本記事では、熊本県内の中小企業の経営者の皆様に向けて、厚生労働省が公表した最新Q&Aを踏まえながら、災害時の休業手当について、法律上の基本的な考え方から具体的な判断事例、会社として備えておきたい記録まで、できるだけ分かりやすく解説します。
目次
1 災害時の休業手当の基本ルール
まず押さえておきたいのは、「休業手当」と「通常の賃金」は別のものであるということです。
労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由」によって労働者を休業させた場合、会社は休業期間中、その労働者に平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければならないと定めています。
つまり、会社側の事情によって従業員に仕事を休んでもらうのであれば、少なくとも平均賃金の60%以上の休業手当を支払うというのが基本的なルールです。
では、地震などの自然災害によって会社を休業した場合も、すべて休業手当の対象になるのでしょうか。
答えは、「必ずしもそうではありません。」
地震そのものは、会社が引き起こしたものではありません。そのため、地震による休業が「不可抗力」によるものと判断される場合には、「使用者の責に帰すべき事由」に当たらず、労働基準法第26条に基づく休業手当の支払い義務が生じないことがあります。
もっとも、「自然災害による休業=すべて不可抗力」ではありません。
今回、厚生労働省が公表したQ&Aでは、地震による休業について、事業場の施設・設備に直接的な被害がある場合と、直接的な被害がない場合とに分けて考え方が示されています。
施設・設備が直接被害を受けた場合
例えば、
- 地震により工場や事務所が倒壊・損壊した
- 機械や設備が被災して使用できなくなった
- 建物への立入りが危険で、事業を行うことができない
といったように、事業場の施設・設備が直接的な被害を受け、その結果として従業員を休業させる場合があります。
厚生労働省のQ&Aでは、このような場合について、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当しないとしています。
したがって、原則として労働基準法第26条に基づく休業手当の支払い義務は生じないことになります。
施設・設備に直接被害がない場合
一方、自社の建物や設備には直接的な被害がなくても、
- 取引先が被災して原材料や部品が入ってこない
- 道路や鉄道が被災して物流が止まった
- 交通網の寸断などにより事業を継続できない
といった理由から休業せざるを得ないこともあります。
このように、事業場の施設・設備には直接的な被害がない場合について、厚生労働省のQ&Aでは、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当するとしています。
したがって、こちらは原則として休業手当の支払いが必要となる側から判断することになります。
ただし、直接被害がないからといって、必ず休業手当を支払わなければならないというわけでもありません。
会社として通常求められる対応を行っても休業を避けることができなかったなど、一定の要件を満たして「不可抗力」と判断される場合には、例外的に休業手当の支払い義務が生じないことがあります。
したがって、災害時の休業手当を考える際には、まず、
「自社の施設・設備に直接的な被害があるか」
を確認し、直接的な被害がない場合には、
「会社として休業を避けることができなかったか」
をさらに検討する、という順番で考えると分かりやすいでしょう。
では、どのような場合に「不可抗力」と判断されるのでしょうか。
次章では、その具体的な判断基準を見ていきます。
2 「不可抗力」とは何か──休業手当が不要となる判断基準
前章でご説明したとおり、地震などの自然災害によって会社を休業した場合でも、必ず休業手当が不要になるわけではありません。
厚生労働省のQ&Aでは、休業の原因が「不可抗力」によるものと判断されるためには、次の二つの要件を満たす必要があるとしています。
① その原因が事業の外部より発生した事故であること
② 事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしても、なお避けることのできない事故であること
この二つの要件を満たす場合には、「使用者の責に帰すべき事由」には当たらず、労働基準法第26条に基づく休業手当の支払い義務は生じないことになります。
重要なのは、地震という自然災害が発生したという事実だけで、この二つの要件を満たしたことにはならないという点です。
それぞれの要件について見ていきましょう。
第1の要件 事業の外部から発生した事故
一つ目は、休業の原因が「事業の外部より発生した事故」であることです。
地震や津波、豪雨などの自然災害そのものは、会社の意思や経営判断によって発生するものではありません。
そのため、地震そのものについては、一般的にこの要件を満たすと考えられます。
例えば、
- 地震により工場や事務所が損壊した
- 地震によって機械や設備が使用できなくなった
- 道路や鉄道が被災し、物流が止まった
- 取引先が被災し、原材料や部品が入ってこなくなった
といった場合には、休業につながった原因が会社の外部から生じていると考えられます。
ただし、「外部から発生した事故である」というだけで、直ちに不可抗力になるわけではありません。
実務上、特に重要になるのが、次の二つ目の要件です。
第2の要件 通常の経営者として最大の注意を尽くしても休業を避けられなかったか
二つ目は、
「事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしても、なお休業を避けることができなかったか」
という点です。
ここでいう「最大の注意」とは、現実に考えられるあらゆる手段を、費用や会社の規模などにかかわらず、すべて実行しなければならないという意味ではありません。
実際にどのような対応が可能だったかは、会社の規模、業種、被害の程度、業務内容、災害発生からの経過期間などによって異なります。
厚生労働省のQ&Aでも、事業場の施設・設備には直接的な被害がないものの、取引先や道路・鉄道などの被害によって休業する場合について、
- 取引先への依存の程度
- 輸送経路の状況
- 他の代替手段の可能性
- 災害発生からの期間
- 使用者としての休業回避のための具体的努力
などを総合的に勘案して判断するとしています。
例えば、自社の状況に応じて、
- 他の仕入先から原材料を調達できなかったか
- 別の輸送経路を利用できなかったか
- 他の事業所で業務を継続できなかったか
- 在宅勤務など別の勤務方法へ切り替えられなかったか
- 一部の業務だけでも継続できなかったか
といった事情を検討することになります。
もちろん、すべての会社がこれらの対応を取れるわけではありません。
例えば、製造業と事務職中心の企業では在宅勤務の可能性が異なりますし、小規模な会社に別の事業所への業務移転を求めることが現実的でない場合もあります。
大切なのは、その会社が災害発生時に置かれていた具体的な状況の中で、休業を回避するためにどのような対応が可能だったのかを考えることです。
「被災した」という事実だけで判断しない
熊本地震のような大規模災害では、同じ地域にある会社でも、置かれている状況は大きく異なります。
例えば、
- 建物や設備そのものが大きく損壊した会社
- 建物は無事だが、物流が止まっている会社
- 主要な取引先が被災した会社
- 建物や設備には問題がなく、通常どおり営業できる会社
では、休業手当に関する判断も同じではありません。
また、製造業、建設業、運送業、小売業、医療・介護、IT企業など、業種によっても事業を継続するための代替手段は異なります。
そのため、
「近くの会社が休業手当を支払っていないから、自社も支払わなくてよい」
と判断することは適切ではありません。
反対に、
「他社が休業手当を支払っているから、自社にも法律上必ず支払い義務がある」
とも限りません。
休業手当の要否は、厚生労働省が示した考え方を踏まえながら、それぞれの会社の被害状況や休業に至った事情に基づいて個別に判断する必要があります。
判断の根拠を残しておくことも重要
そして、実務上もう一つ意識していただきたいのが、会社がどのような状況にあり、なぜ休業を決定したのかを記録として残しておくことです。
例えば、
- 建物や設備の被害状況
- 停電・断水などライフラインの状況
- 道路や鉄道など交通・物流の状況
- 取引先の被災状況
- 代替となる仕入先や輸送経路を検討した結果
- 在宅勤務や他事業所での業務継続を検討した結果
- 休業を決定した日時と理由
などです。
特に、自社の施設・設備には直接被害がなく、取引先や交通網などの被害を理由として休業する場合には、会社として休業を回避するために何を検討したのかを整理しておくことが重要です。
もちろん、記録を残しておけば自動的に不可抗力と認められるわけではありません。
しかし、後日、労働基準監督署や従業員などから説明を求められた場合に、その時点で会社が置かれていた状況と判断の経緯を客観的に説明しやすくなります。
記録については、第5章で具体的に説明します。
次章では、ここまで説明した判断基準を、災害時に実際に起こり得るケースに当てはめて考えてみましょう。
3 具体例で考える 休業手当が必要になるケース・ならないケース
ここまで、休業手当の基本的な考え方と「不可抗力」の判断基準について説明してきました。
しかし、実際の現場では、
「結局、自社の場合は休業手当を支払う必要があるのか」
という点が最も気になるところでしょう。
ここでは、災害時に想定される代表的なケースをもとに、これまで説明した判断基準を具体的に当てはめてみます。
なお、以下は一般的な考え方を示したものであり、実際には個々の事情によって判断が異なる場合があります。
ケース1 工場や事務所が被災し、事業を継続できない
【事例】
地震により工場や事務所が大きく損壊し、機械や設備も使用できなくなりました。建物への立入りも危険な状態で、当面は営業を再開できません。
【考え方】
このケースでは、自社の事業場の施設・設備が地震によって直接的な被害を受けています。
厚生労働省のQ&Aでは、このような場合には、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当しないとしています。
したがって、原則として労働基準法第26条に基づく休業手当の支払い義務は生じないと考えられます。
ただし、建物や設備の被害状況を示す写真、修理業者の報告書、行政からの立入規制に関する情報など、休業に至った状況が分かる資料は可能な範囲で保存しておくことをお勧めします。
また、ここでいうのはあくまで労働基準法第26条上の休業手当についてです。就業規則や労働契約などによる賃金・手当の支払いについては、第4章で説明します。
ケース2 建物は無事だが、道路が寸断され事業所へ行けない
【事例】
会社の建物や設備には被害がありません。しかし、周辺道路の崩落や橋の損傷などにより、従業員や取引先が事業所へ近づくことが難しく、会社として休業することにしました。
【考え方】
このケースでは、自社の施設・設備そのものには直接的な被害がありません。
そのため、まずは「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当するものとして考え、原則として休業手当の支払いが必要となります。
ただし、それで判断が終わるわけではありません。
例えば、
- 事業所へ通じる道路がすべて通行止めだった
- 現実的に利用できる代替ルートがなかった
- 他の事業所で業務を行うこともできなかった
- 在宅勤務など別の方法による業務継続も困難だった
といった事情があり、通常の経営者として最大の注意を尽くしても休業を避けられなかった場合には、不可抗力と判断され、休業手当の支払い義務が生じない可能性があります。
したがって、単に「道路が通れなかった」という事実だけではなく、代替ルートや他の業務継続手段が現実に利用できなかったかまで確認することが重要です。
ケース3 会社は営業できるが、従業員だけが出勤できない
【事例】
会社の建物にも設備にも被害はなく、会社は通常どおり営業しています。しかし、公共交通機関の運休、道路事情、自宅の被災などにより、一部の従業員が出勤できません。
【考え方】
このケースでは、会社が従業員を「休業させた」場合とは分けて考える必要があります。
会社は営業しており、仕事を提供できる状態にあるものの、従業員側の事情によって出勤できないのであれば、通常は会社が命じた休業とは性質が異なります。
そのため、直ちに労働基準法第26条の休業手当の問題になるわけではありません。
実際の賃金の取扱いについては、労働契約や就業規則などを確認したうえで判断する必要があります。
また、会社の制度や本人の状況に応じて、
- 年次有給休暇を本人の希望により取得する
- 会社に特別休暇制度があれば利用する
- 在宅勤務が可能であれば切り替える
- 就業規則等に基づいて欠勤として取り扱う
などの対応が考えられます。
なお、会社が一方的に年次有給休暇を取得したことにすることはできません。
従業員自身やその家族が被災している場合もありますので、法律上の取扱いだけでなく、本人の事情を確認しながら柔軟な対応を検討することも大切です。
ケース4 原材料や部品が届かず、生産できない
【事例】
自社工場には地震による被害はありません。しかし、主要な仕入先が被災したため原材料や部品が入荷せず、生産ラインを止めざるを得なくなりました。
【考え方】
このケースは、今回の厚生労働省Q&Aを踏まえると、特に注意が必要です。
自社の施設・設備には直接的な被害がないため、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当し、休業手当の支払いが必要となります。
「仕入先が地震で被災したのだから、自社に責任はない」と考えたくなるところですが、取引先が被災したという事実だけで、自動的に不可抗力になるわけではありません。
一方で、会社として対応しても休業を避けられなかった場合には、例外的に不可抗力と判断される可能性があります。
その判断では、
- その取引先への依存の程度
- 輸送経路の状況
- 他の代替手段の可能性
- 災害発生からの期間
- 休業を回避するために会社が行った具体的な努力
などを総合的に考慮します。
例えば、
- 他の仕入先から調達できなかったか
- 在庫を利用して一定期間操業できなかったか
- 別の輸送経路を利用できなかったか
- 生産品目や業務内容を一時的に変更できなかったか
といった事情を、自社の実情に応じて検討することになります。
その結果、代替手段が現実的になく、会社として休業を回避するための対応を行ってもなお操業できなかったのであれば、不可抗力と判断される可能性があります。
特にこのケースでは、「なぜ他の方法では事業を継続できなかったのか」を後から説明できるようにしておくことが重要です。
ケース5 停電や断水により操業できない
【事例】
建物や設備そのものに大きな損傷はありませんが、地震による長時間の停電や断水が発生し、機械を動かすことができず、営業や生産を継続できません。
【考え方】
停電や断水は会社の外部から生じた事情ですが、「停電・断水が発生したから、当然に休業手当は不要」と一律に判断することはできません。
例えば、
- 停電・断水によって実際に業務を行うことができなかったのか
- 自家発電設備などを利用できなかったか
- 他の事業所へ一部業務を移せなかったか
- 影響を受けない業務だけでも継続できなかったか
など、具体的な状況を確認する必要があります。
そのうえで、停電や断水が会社の外部から発生したものであり、通常の経営者として最大の注意を尽くしても操業を継続できなかったのであれば、不可抗力と判断される可能性があります。
停電・断水の発生日時や復旧日時、電力会社や自治体から公表された情報なども保存しておくとよいでしょう。
ケース6 在宅勤務で対応できる業務だった
【事例】
安全確保のため事務所を一時的に閉鎖しました。しかし、従業員にはパソコンや通信環境があり、自宅から通常の業務を行うことが可能な状況でした。
【考え方】
このような場合には、実際に在宅勤務へ切り替えることが可能だったかどうかが、休業を回避できたかを考えるうえで一つの判断材料になります。
例えば、災害前からテレワーク制度を導入しており、従業員が必要な機器を持ち帰っていて、通常業務を自宅でも行える状況だったのであれば、会社が一律に休業とする必要があったのかが問題となる可能性があります。
一方で、
- 社内システムへ社外からアクセスできない
- 機密情報を扱うため自宅では業務できない
- パソコン等が事業所内にあり持ち出せない
- 従業員の自宅も停電・通信障害等の被害を受けている
といった事情があれば、事務職であっても在宅勤務が現実的でない場合があります。
したがって、
「事務職だから在宅勤務できたはず」
と一律に判断するのではなく、その会社、その業務、その時点で実際に在宅勤務へ切り替えることが可能だったのかを見ることが重要です。
災害時にも在宅勤務へ切り替えられる体制を平時から整えておくことは、事業継続計画(BCP)の観点からも有効です。
「他社はどうしているか」ではなく、「自社はどうだったか」が重要
ここまで見てきたように、休業手当が必要かどうかは、「地震が起きた」という事実だけでは決まりません。
会社の被害状況、取引先への依存度、輸送経路、代替手段、業務内容、災害発生からの期間など、それぞれの会社が置かれている状況によって判断は異なります。
そのため、
「同業他社では休業手当を支払っていない」
「知り合いの会社では支払うことにした」
といった情報だけで自社の対応を決めることは適切ではありません。
大切なのは、「他社がどうしたか」ではなく、「自社はどのような状況にあり、休業を避けるために何ができたのか」を整理することです。
判断に迷う場合には、休業手当を支給する前、あるいは「支給しない」と決定する前に、労働基準監督署や社会保険労務士などへ相談することをお勧めします。
4 休業手当が不要でも「何も支払わなくてよい」とは限らない
ここまで、労働基準法第26条に基づく休業手当について説明してきました。
事業場の施設・設備が地震によって直接被害を受けた場合など、休業が「使用者の責に帰すべき事由」によるものではないと判断されれば、労働基準法第26条に基づく休業手当の支払い義務は生じません。
しかし、ここで注意していただきたいことがあります。
それは、
「労働基準法上、休業手当を支払う義務がない」ことと、「会社が従業員に何も支払わなくてよい」ことは、必ずしも同じではない
ということです。
厚生労働省の「令和8年熊本地震に伴う労働基準法や労働契約法等に関するQ&A」でも、この点について具体的な考え方が示されています。
労働契約や就業規則も確認する
例えば、
- 労働契約
- 労働協約
- 就業規則
などによって、地震などの不可抗力による休業の場合にも賃金や手当を支払うこととしている場合があります。
このような定めがある場合には、労働基準法第26条上の休業手当の支払い義務がないからといって、その定めに基づく支払いまで不要になるわけではありません。
まずは、自社の就業規則や賃金規程、労働協約、個々の労働契約などに、災害時の休業についてどのような定めがあるのかを確認する必要があります。
特に、
「天災事変その他やむを得ない事由による休業」
などについて賃金や手当の取扱いを定めている会社は、その内容を確認しておきましょう。
就業規則に書いていなくても「これまでの取扱い」に注意
もう一つ確認しておきたいのが、これまで会社がどのような取扱いをしてきたかという点です。
厚生労働省Q&Aでは、労働契約や労働協約、就業規則だけでなく、「労使慣行」についても言及しています。
例えば、過去の台風や豪雨などで会社を休業した際に、不可抗力による休業であっても通常どおり賃金を支払ってきたとします。
そのような取扱いが労使間で反復・継続され、労働条件として認められるような労使慣行となっている場合には、
「今回は地震だから支払わない」
と単純に取扱いを変更できるとは限りません。
従来の取扱いが労働条件となっている場合に、それを従業員に不利益な方向へ変更するのであれば、労働契約法上の問題も生じます。
したがって、就業規則に明確な規定が見当たらない場合でも、過去の災害時や休業時にどのような賃金・手当の取扱いをしてきたかを確認しておくことが大切です。
「休業手当」と「その他の賃金・手当」は分けて確認する
実務上は、二段階に分けて考えると整理しやすくなります。
まず、
労働基準法第26条によって休業手当を支払う義務があるか。
次に、
労働契約、労働協約、就業規則、労使慣行などによって、別途賃金や手当を支払う必要がないか。
を確認します。
例えば、地震によって工場が直接被災し、労働基準法第26条上の休業手当を支払う義務がないケースであっても、就業規則に「災害による休業の場合には一定の手当を支給する」といった定めがあれば、その規定に基づく支払いについては別に検討する必要があります。
つまり、
「不可抗力だから休業手当は不要」
という判断だけで終わらせず、
「自社の労働契約や就業規則などではどうなっているか」
まで確認することが重要です。
また、厚生労働省Q&Aでは、災害によって事業活動が停止し、やむを得ず休業する場合であっても、労使がよく話し合い、労働者の不利益を回避するよう努力することが重要であるとの考え方が示されています。
法律上の支払い義務を確認したうえで、自社としてどのような対応が可能なのかを考えることも、災害時の労務管理では大切です。
5 会社を守るために残しておきたい記録
災害時には、人命の安全確保や事業の復旧が最優先です。
そのため、
「休業した理由を記録しておこう」
と考える余裕はないかもしれません。
しかし、落ち着いた後になって、
「なぜ会社を休業したのですか。」
「本当に事業を継続できなかったのですか。」
「他の方法で営業を続けることはできなかったのですか。」
と説明を求められることがあります。
例えば、労働基準監督署から休業手当について確認を受ける場合や、従業員から説明を求められる場合、雇用調整助成金などの支援制度を利用する場合などです。
そのようなとき、客観的な記録が残っているかどうかで、会社の説明のしやすさは大きく変わります。
特に、自社の施設・設備には直接的な被害がなく、取引先や交通網などの被害を理由として休業した場合には、会社として休業を回避するためにどのような対応を検討したのかも重要になります。
記録しておきたい主な内容
災害時には、可能な範囲で次のような資料を残しておくことをお勧めします。
1 建物・設備の被害状況
- 建物や設備の写真・動画
- 修理業者の報告書や見積書
- 保険会社へ提出した資料
- 建物への立入りを制限された場合は、そのことが分かる資料
自社の施設・設備が直接被害を受けた場合には、その状況を客観的に確認できる資料になります。
2 ライフラインの状況
- 停電・断水の発生日時と復旧日時
- 電力会社や自治体から公表された情報
- 通信障害などがあれば、その発生状況
ライフラインが停止していた期間や程度を確認できる資料は、なぜ操業できなかったのかを説明する際の参考になります。
3 交通機関や道路の状況
- 高速道路や一般道路の通行止め情報
- 鉄道やバスの運休情報
- 橋梁等の被害状況
- 行政の避難情報や交通規制
- 物流業者からの配送停止等の連絡
自社には直接的な被害がなく、道路や鉄道などの被害によって休業した場合には、特に重要な資料となります。
4 取引先や仕入先の状況
例えば、
- 主要な取引先・仕入先からの被災連絡
- 原材料や部品の供給停止に関する連絡
- 納品・出荷ができない旨の連絡
- その取引先への依存状況
- 供給再開の見込みについての情報
などです。
「仕入先が被災した」という事実だけでなく、その影響によって自社の事業継続がどの程度困難になったのかが分かる資料を残しておくとよいでしょう。
5 会社として検討した代替手段
特に重要なのが、この記録です。
例えば、
- 他の仕入先から調達できなかったか
- 別の輸送経路を利用できなかったか
- 他の事業所へ業務を移せなかったか
- 在宅勤務へ切り替えられなかったか
- 一部の部署や業務だけでも継続できなかったか
- 在庫を利用して操業を継続できなかったか
などについて、どのような検討をしたのかを残しておきます。
すべての選択肢を実施しなければならないという意味ではありません。
例えば、
「別の仕入先も確認したが、必要な数量を確保できなかった」
「在宅勤務を検討したが、業務上使用するシステムへ社外からアクセスできなかった」
といったように、なぜその方法を採ることができなかったのかが分かる記録があると、後から状況を説明しやすくなります。
6 休業を決定した経緯
例えば、
- いつ休業を決定したのか
- 誰が判断したのか
- その時点でどのような情報があったのか
- どのような理由から休業が必要と判断したのか
- 休業期間をどのように判断したのか
- 従業員へいつ、どのように周知したのか
などを記録しておきます。
特に災害発生直後は、状況が刻々と変化します。
そのため、後から判明した結果だけではなく、休業を決定した時点で会社が把握していた情報を残しておくことが重要です。
記録を残せば「不可抗力」になるわけではない
ここは誤解しないでいただきたいところです。
こうした資料を残しておけば、それだけで休業が「不可抗力」と認められるわけではありません。
記録を残す目的は、会社が当時どのような状況にあり、どのような選択肢を検討し、その結果なぜ休業を決定したのかを、後から客観的に説明できるようにすることです。
災害発生から時間が経つと、
「道路はどこまで通行できなかったのか」
「いつ電気が復旧したのか」
「いつ仕入先から連絡があったのか」
「なぜ別の方法を採らなかったのか」
といったことを正確に思い出すのは難しくなります。
詳細な報告書を作る余裕がなければ、まずは写真を撮る、メールや社内チャットを保存する、判断した理由を簡単にメモする、といった方法でも構いません。
「あとで思い出して説明する」のではなく、その時々の状況を可能な範囲で残しておく。
それが、後日の労務管理や従業員への説明を円滑にし、結果として会社を守ることにつながります。
6 雇用調整助成金の活用も検討しましょう
災害によって事業活動を縮小せざるを得なくなった場合、従業員の雇用を維持するために、雇用調整助成金を活用できる場合があります。
雇用調整助成金は、経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員を解雇するのではなく、一時的に休業、教育訓練または出向を行って雇用を維持した場合に、その費用の一部を助成する制度です。
ただし、
「地震によって会社が休業したから、当然に雇用調整助成金を利用できる」というわけではありません。
休業手当の問題とは、判断基準が異なるためです。
地震による直接的な被害そのものは「経済上の理由」ではない
厚生労働省のQ&Aでは、事故または災害によって施設や設備が直接被害を受けたこと自体は、雇用調整助成金の対象となる「経済上の理由」には当たらないとされています。
例えば、
- 地震によって工場が倒壊した
- 事務所が損壊して使用できなくなった
- 機械や設備そのものが地震で破損した
といった直接的な被害だけを理由として休業する場合には、それだけで雇用調整助成金の対象になるわけではありません。
災害に伴う「経済上の理由」で事業活動が縮小した場合
一方で、地震そのものによる直接被害ではなく、災害に伴って生じた経済上の理由によって事業活動を縮小せざるを得なくなった場合には、雇用調整助成金の対象となる可能性があります。
厚生労働省Q&Aでは、例えば、
- 交通手段が途絶し、原材料の入手や製品の搬出ができない
- 災害の影響が長期化し、事業活動を縮小せざるを得ない
- 事業所や設備の修理業者を手配できない
- 修理に必要な部品を調達できない
といった場合が示されています。
このような事情によって事業活動の縮小を余儀なくされ、その他の要件も満たす場合には、雇用調整助成金を利用できる可能性があります。
したがって、申請を検討する際には、
「地震で休業した」ということだけでなく、「何が原因となって事業活動を縮小しているのか」
を整理することが重要です。
休業手当の支払い義務と雇用調整助成金は別に考える
ここで、特に重要なポイントがあります。
労働基準法第26条に基づく休業手当の支払い義務があるかどうかと、雇用調整助成金を利用できるかどうかは、別の基準で判断されます。
厚生労働省Q&Aでも、雇用調整助成金について、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当するか否かによって、その取扱いが異なるものではないとされています。
したがって、
「不可抗力だから労働基準法上の休業手当を支払う義務がない」
という場合でも、それだけを理由に雇用調整助成金を利用できないと決まるわけではありません。
反対に、労働基準法上の休業手当を支払う必要があるからといって、自動的に雇用調整助成金の対象になるわけでもありません。
休業手当と雇用調整助成金は、それぞれ別に要件を確認する必要があります。
熊本地震に伴う特例措置について
大規模な自然災害が発生した場合には、雇用調整助成金について、通常時よりも利用しやすくするための特例措置が講じられることがあります。
本記事の更新時点では、令和8年熊本地震に伴う雇用調整助成金の特例措置は、まだ正式に公表されていません。
一方、熊本県の災害対策本部会議では、雇用調整助成金の特例措置について熊本労働局と協議を進めていることが明らかにされています。
そのため、今後、令和8年熊本地震についても何らかの特例措置が講じられる可能性があります。
ただし、具体的な対象地域、要件、助成率、適用期間などについては、正式な発表を待つ必要があります。
過去の災害で設けられた特例と同じ内容になるとは限りませんので、実際に制度を利用する際には、厚生労働省や熊本労働局から公表される最新情報を必ず確認してください。
当事務所でも、特例措置の内容が正式に公表されましたら、最新情報を確認したうえで対応してまいります。
利用を考える場合は、早めに準備を
雇用調整助成金を利用するためには、制度上の要件を満たしたうえで、必要な手続きを行う必要があります。
また、申請にあたっては、
- 休業を実施した日
- 対象となった従業員
- 実際に支給した休業手当
- 出勤簿やタイムカードなどの勤怠記録
- 賃金台帳
- 事業活動が縮小したことを確認できる資料
などが必要となる場合があります。
特例措置が設けられた場合には、通常とは要件や手続きが異なる可能性もあります。
そのため、「正式発表があってからすべて準備する」のではなく、休業の実施状況や事業活動への影響を示す資料については、今の段階から整理しておくことをお勧めします。
「利用できると思っていたものの、後から必要な資料がそろわない」ということにならないよう、制度の利用を考える場合には早めに準備を進めておきましょう。
7 社労士として、経営者の皆様にお伝えしたいこと
ここまで、災害時の休業手当について、厚生労働省の最新Q&Aを踏まえながら、法律上の考え方を説明してきました。
最後に、法律上の義務とは少し視点を変えて、社会保険労務士として私自身の考えをお伝えしたいと思います。
法律上の義務と、経営としての判断は必ずしも同じではありません
災害による休業について、労働基準法上は休業手当の支払い義務がないと判断される場合があります。
しかし、それは、
「従業員に何も支払ってはいけない」
という意味ではありません。
また、第4章で説明したように、労働基準法第26条上の休業手当の支払い義務がない場合でも、労働契約や就業規則、労使慣行などによって、賃金や手当の支払いが必要となることがあります。
まずは、法律や自社の労働条件に照らして、会社にどのような義務があるのかを正確に確認する。
そのうえで、会社としてさらにどのような対応ができるのかを考える。
この二つは、分けて考えることが大切です。
厚生労働省のQ&Aでも、災害によって事業活動が停止し、やむを得ず休業する場合について、労使がよく話し合い、労働者の不利益を回避するよう努力することが重要であるとの考え方が示されています。
従業員もまた、被災者です
大規模な災害では、会社だけでなく、そこで働く従業員一人ひとりも被災しています。
自宅が損壊した方もいるでしょう。
家族の安全確保や避難生活に追われている方もいるかもしれません。
そのような状況で収入まで大きく減少すれば、生活への不安はさらに大きくなります。
一方で、会社にも建物や設備の復旧費用、売上の減少、取引先への対応、資金繰りなど、大きな負担が生じます。
だからこそ、災害時には、
「会社と従業員のどちらを守るか」ではなく、「会社の存続と従業員の生活をどう両立させるか」
という視点が重要だと私は考えています。
復旧・復興を支えるのは「人」です
災害から事業を立て直すには、多くの時間と労力が必要です。
設備を修理し、建物を復旧し、取引を再開しても、そこで働く人がいなければ事業を元に戻すことはできません。
会社が事業を再開したときに、
「この会社でもう一度頑張ろう。」
と従業員に思ってもらえるかどうか。
災害時に会社がどのような対応をしたかは、その後の信頼関係にも影響するでしょう。
もちろん、すべての会社が同じ対応を取れるわけではありません。
資金繰りが厳しく、十分な休業手当や会社独自の支援を行うことが難しい場合もあります。
会社そのものが存続できなければ、長期的に雇用を守ることもできません。
だからこそ、それぞれの会社が置かれた状況の中で、従業員の生活と会社の存続の両方を見据えて、持続可能な対応を考えることが大切です。
私がお勧めしたい対応
私は、まず法律上必要な対応を正確に確認したうえで、会社の資金繰りや被害の程度、休業の見通し、公的支援制度などを総合的に考え、可能な範囲で従業員の収入減少を抑える方法を検討することをお勧めしています。
例えば、労働基準法第26条に基づく休業手当を支給する場合であっても、会社の経営状況が許すのであれば、平均賃金の60%という最低基準を上回る水準を補償することも一つの選択肢です。
また、法律上の休業手当の支払い義務がない場合でも、自社の制度や経営状況に応じて、
- 会社独自の手当や見舞金を支給する
- 特別休暇を設ける
- 年次有給休暇の取得を希望する従業員が利用できるようにする
- 在宅勤務など可能な働き方へ切り替える
といった方法も考えられます。
もちろん、これらはすべての会社に法律上求められる対応ではありません。
また、一時的に無理をして手厚い補償を行った結果、会社の資金繰りが悪化してしまっては、長期的な雇用維持が難しくなることもあります。
そのため、「できる限り多く支払う」こと自体を目的とするのではなく、自社が継続できる範囲で従業員の生活への影響を少なくする方法を考えることが重要だと私は考えています。
災害時の対応は、従業員にとって「会社が自分たちをどのように考えているのか」が伝わる場面でもあります。
苦しい状況だからこそ、会社と従業員が互いの状況を理解しながら、事業再開に向けて協力できる関係をつくることが、その後の組織づくりにもつながるのではないでしょうか。
一人で判断を抱え込まないでください
災害時の労務管理には、すべての会社に共通する一つの答えがあるわけではありません。
会社の規模、業種、被害の程度、資金繰り、従業員の状況などによって、取るべき対応は異なります。
今回見てきた「休業手当を支払う必要があるか」という問題だけでも、
- 労働基準法第26条上の支払い義務
- 不可抗力に該当するか
- 労働契約や就業規則、労使慣行による支払いの有無
- 雇用調整助成金などの利用可能性
といった複数の論点があります。
特に、自社の施設・設備には直接的な被害がなく、取引先や交通網の被害などによって休業した場合には、個別の事情を踏まえた判断が重要になります。
判断に迷う場合には、一人で抱え込まず、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門家を活用してください。
当事務所でも、それぞれの会社の状況を丁寧に確認しながら、「従業員を守ること」と「会社を守ること」の両立を目指した対応を一緒に考えてまいります。
8 まとめ――災害時の休業手当は、この順番で確認しましょう
令和8年熊本地震に伴う休業手当について、最も重要なのは、
「地震だから休業手当は不要」
と一律に判断しないことです。
厚生労働省の最新Q&Aを踏まえると、会社としては、次の順番で確認すると整理しやすいでしょう。
① 自社の施設・設備に直接的な被害があるか
地震によって事業場の施設・設備が直接被害を受け、その結果として休業する場合には、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当せず、労働基準法第26条に基づく休業手当の支払い義務は生じません。
② 直接被害がない場合は、休業を回避できなかったかを確認する
自社の施設・設備には直接的な被害がなく、取引先の被災や道路・鉄道などの被害によって休業する場合には、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当します。
ただし、原因が事業の外部から発生したものであり、通常の経営者として最大の注意を尽くしても休業を避けられなかった場合には、不可抗力として休業手当の支払い義務が生じないことがあります。
③ 労働契約・就業規則・労使慣行も確認する
労働基準法第26条上の休業手当を支払う義務がない場合でも、それだけで「何も支払わなくてよい」と決まるわけではありません。
労働契約、労働協約、就業規則、これまでの労使慣行などによって、賃金や手当を支払う必要がないかを確認します。
④ 休業に至った状況と会社の対応を記録する
建物・設備の被害、停電・断水、道路・鉄道、取引先の状況などに加えて、代替となる仕入先や輸送経路、在宅勤務などについて会社がどのような検討をしたのかも、可能な範囲で記録しておきましょう。
特に自社に直接被害がない場合には、「なぜ休業を避けることができなかったのか」を後から説明できることが重要です。
⑤ 雇用調整助成金は休業手当とは別に検討する
労働基準法第26条上の休業手当の支払い義務があるかどうかと、雇用調整助成金を利用できるかどうかは別の問題です。
地震によって施設・設備が直接被害を受けたこと自体は、雇用調整助成金における「経済上の理由」には当たりません。
一方、交通の途絶によって原材料を入手できない、修理業者や部品を確保できないなど、災害に伴う経済上の理由によって事業活動を縮小した場合には、対象となる可能性があります。
また、令和8年熊本地震については、記事更新時点では雇用調整助成金の特例措置は正式に公表されていませんが、熊本県の災害対策本部会議において熊本労働局との協議が進められています。
今後、特例措置が正式に公表された場合には、その内容を確認したうえで利用を検討しましょう。
災害時には、人命の安全確保と事業の復旧が何よりも優先されます。
その一方で、休業が長期化すれば、会社の経営にも従業員の生活にも大きな影響が生じます。
だからこそ、「休業手当を払うか、払わないか」だけで判断を終わらせず、会社と従業員の双方を守りながら、どう事業再開につなげていくかという視点を持つことが大切です。
判断に迷う場合には、できるだけ早い段階で専門家へ相談することをお勧めします。
ご相談ください
社会保険労務士 荻生労務研究所では、熊本県内の中小企業を対象に、
- 災害時の休業手当に関するご相談
- 雇用調整助成金など各種支援制度への対応
- 災害時の勤怠・賃金・休暇に関する労務管理
- 就業規則の整備
- BCP(事業継続計画)における労務管理体制の整備
などをサポートしています。
「自社の場合、休業手当を支払う必要があるのだろうか」
「不可抗力と考えてよいのか判断できない」
「従業員にどのように説明すればよいのだろうか」
そのような疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。
災害時の労務問題は、会社の被害状況や業種、従業員の働き方などによって判断が異なります。
法律上の取扱いを確認するだけでなく、それぞれの会社の状況を整理しながら、従業員の生活と会社の存続の両方を見据えた対応を一緒に考えてまいります。
一日も早い事業の復旧と、従業員の皆様の生活再建に向けて、当事務所もお手伝いいたします。

