上司の「背中」を見せることから始まる働き方改革 中小企業が押さえるべき実践の勘所

「働き方改革はうちにはまだ早い」「忙しくてやってる余裕がない」——そんな声をよく耳にします。しかし、だからこそ中小企業こそ“小さく始めて確実に広げる”実践が求められています。先日、上野労働基準監督署で開催された説明会の内容をもとに、中小企業の経営者が押さえるべき「実践の勘所」をご紹介します。
働き方改革は「掛け声」だけでは進まない
東京・上野労働基準監督署主催の説明会では、東京働き方改革推進支援センターの古賀泰成相談員が登壇し、改革を推進するための「現場視点のヒント」が共有されました。
印象的だったのは、「まずは上司が実践することが何より大事」という言葉です。
キーマンは「上司」──部下に背中を見せる
「有給を取れ」と言いながら、管理職自身が一切休まず働き詰めでは、部下も動けません。古賀相談員は、大手小売業の店長が率先して有給休暇を取得することで、部下も休みやすくなり、結果として職場全体にポジティブな変化が起きた事例を紹介しています。
これは、中小企業にもそのまま当てはまる話です。特に規模が小さい企業ほど、経営者や管理職の行動が職場全体の空気に直結します。
「まずは一部署から」──段階的に広げる戦略
また、「いきなり全社的に変えるのではなく、一部署から始める」ことも現実的かつ効果的なアプローチです。成功事例が出れば、「あの部署はうまくいっている」という社内の「口コミ」が起こり、他部署のモチベーションも高まります。
これこそ「自然に広がる働き方改革」です。
中小企業が取り組むための3ステップ
- 経営者・管理職自身が率先して改善行動を示す
- 小さな単位で具体的な実践を始める
- 成果を見える形で社内に共有・評価する
この3ステップを意識することで、無理なく、確実に職場の改善が進んでいきます。
改革は「できるところから」
働き方改革は、制度を整えることだけでなく、職場の意識や文化を変える取り組みです。熊本県内の中小企業の皆様も、まずはできることから。
「うちの会社の上司は、ちゃんと背中で語ってくれる」——そんな職場を目指し、一歩ずつ進めていきましょう。
荻生労務研究所では、制度設計だけでなく、こうした「現場のリアル」に寄り添った働き方改革のサポートも行っています。お気軽にご相談ください。
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