地方中小企業の人材流出を防ぐために必要な視点とは?

人口減少と都市部への人口流出が続く中、地方中小企業にとって「人材の確保と定着」は喫緊の課題です。マイナビの最新調査からは、地方中小企業就業者の会社への満足度やキャリア意識が、大企業と比べて低いことが明らかになりました。今回は、その調査結果をもとに、地方中小企業経営者として今何を考えるべきかを一緒に整理していきます。
地方中小企業就業者の「会社に留まる意思」が弱い
マイナビの調査によると、「今の会社で頑張りたい」と答えた割合は、地方中小企業では23.2%。対する大企業では35.5%で、約12ポイントの差が生じています。特に20代では18.5%にとどまり、若年層ほど企業へのロイヤルティが低い傾向が見て取れます。
この傾向は、単なる“転職志向”ではなく、キャリアの展望が描きにくい職場環境や、評価・処遇への不満に起因している可能性が高いと考えられます。
満足度が高いのは「人間関係」「労働時間」、不満は「収入」「評価」「福利厚生」
同じ調査では、「業務量・労働時間」「職場の人間関係」については比較的満足度が高い一方で、「収入」「組織からの評価」「福利厚生」については3割以上が不満と回答しています。特に大企業との比較では、福利厚生と収入面でのギャップが大きく、それが転職意向に直結している可能性があります。
地方中小企業に求められるのは“魅力的な職場づくり”
地方創生の文脈でも、地域に根ざした企業が持続的に成長することは不可欠です。しかし、単に「魅力的な職場を」と言われても、収益基盤が脆弱な企業にとっては難しい課題です。
そこで重要なのは、給与や福利厚生といった外形的な条件だけでなく、「社員の成長実感」や「貢献が評価される風土」を育てること。人事評価制度の見直し、キャリア面談の導入、福利厚生の工夫(例:地元提携サービスの活用)など、コストを抑えつつ実施できる施策は多くあります。
経営者が持つべき視点
人材確保においては「採用」以上に「定着」の戦略が重要です。特に熊本のような地域では、一度離職した優秀な人材が都市部に流出すると、再び戻ってくることは稀です。社員一人ひとりが「ここで働き続けたい」と思えるよう、経営者自身が対話を重ね、仕組みを整える必要があります。
まとめ
地方中小企業の課題は多岐にわたりますが、まずは社員が将来を描ける職場づくりから。経営者がその一歩を踏み出すことで、企業の未来が変わります。
▶本調査の詳しい内容や、職場改善の具体的施策についてご相談をご希望の方は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
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