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人事労務ニュース

熊本県内企業の景気見通しに「不透明感」— 2026年、中小企業がまず整えるべき“人と生産性”の備え

熊本日日新聞(2026年1月3日付)では、県内企業の経営者意識調査から「景気は改善見込みが悪化を上回る一方、前年比で低下」「どちらとも言えないが増加」といった“慎重姿勢”が広がっていることが報じられました。背景には物価高・人手不足に加え、金利上昇や働き方改革の影響への警戒もあります。

本稿では、熊本の中小企業経営者の皆さま向けに、調査結果を「労務・人材・生産性」の観点で読み解き、2026年の打ち手を整理します。

調査結果のポイント(実務に直結する3点)

1)業種別では、卸・小売で「悪化」増。「人件費上昇」「人手不足」が理由に
2)プラス要因は「デジタル化(52.0%)」に続き、「生成AIなど技術革新(49.0%)」が急伸
3)マイナス要因は「物価・原材料価格の変動」「人手不足」が60%超で根強い

ここから見えるのは、売上の見通しそのものよりも「コスト(人件費・原材料)と人材(採用・定着・育成)」が経営のボトルネックになっている現実です。

不透明感の正体は「需要」より「供給制約」

今回の調査で特徴的なのは、「悪くなる」がゼロでも、“慎重”が増えている点です。これは、受注や需要の問題というより、
・人が採れない/育たない
・賃上げ圧力が続く
・価格転嫁が追いつかない
・金利上昇で資金調達コストが読みにくい
といった「供給制約(会社側の体力・実行力)」が、経営の見通しを曇らせている構図です。

さらに熊本は、半導体関連の投資が追い風である一方、人材獲得競争が激化しやすい地域でもあります。中小企業ほど“採用市場の変化”を真正面から受けやすく、従来の採用・定着のやり方だけでは厳しくなります。

2026年に押さえるべき「3つの打ち手」

【1】賃上げを「コスト」ではなく「投資」として設計する
賃上げは避けられない局面に入っています。重要なのは“上げる/上げない”ではなく、「どう上げて、どう回収するか」。
・等級・評価・賃金テーブルを簡素でもよいので整える
・手当の整理(固定化した手当を役割給へ移す等)で納得感をつくる
・残業頼みの業務設計を見直し、時間外を減らして原資を生む
賃上げは、働き方改革(長時間労働の是正、年休取得、同一労働同一賃金の観点)とセットで進めるほど効果が出ます。

【2】価格転嫁・原価管理を「見える化」して交渉力を上げる
中小企業で苦しいのは、コスト増を価格に反映しきれないことです。
・見積書を分解(材料費/労務費/外注費/経費/利益)し、上昇分の根拠を示す
・契約更新のタイミングを逃さず、条件改定のルールを社内で標準化する
・労務費の上昇(最低賃金、社会保険料、採用コスト)を“経営数字”として共有する
「感覚」ではなく「数字」で示せる会社ほど、交渉が通りやすくなります。

【3】DX・生成AIは「大きく導入」より「小さく定着」
調査で生成AIへの期待が急伸しましたが、成功の鍵はツールより“業務の選び方”です。
まずは次のような、効果が見えやすい領域から小さく始めるのがおすすめです。
・採用:求人票たたき台、面接質問例、内定者フォロー文の作成
・総務:社内規程の周知文、FAQ、教育資料の下書き
・会議:議事録の要約、決定事項・タスクの整理
・営業:提案書の骨子、顧客別の想定Q&A
「1部署で1テーマ、4週間で試す」くらいのスモールスタートが、定着と成果につながります。

まずは90日:経営者のチェックリスト(最小で効く順)

□ 採用計画を“年1回”から“四半期運用”へ(母集団・辞退理由・入社後離職理由を記録)
□ 賃金・手当の棚卸し(残業代の適正、手当の目的、同一労働同一賃金のリスク)
□ 業務の棚卸し(属人業務・二重入力・紙運用を洗い出し、削減候補を決める)
□ 価格転嫁の根拠資料をテンプレ化(見積内訳・労務費上昇・納期影響など)
□ 教育の仕組み化(OJT任せをやめ、3か月で独り立ちする“型”を作る)

まとめ:不透明な時代ほど「人」と「生産性」に先手を

今回の調査は、景気の方向性以上に、「人手不足・人件費・物価・金利」といった経営の前提条件が揺れていることを示しています。つまり、待っていても環境は整いません。
2026年は、①人材確保と定着の仕組み、②価格転嫁と原価管理の見える化、③小さなDX・生成AIの定着——この3点を“同時に回す”会社ほど、外部環境の変化に強くなります。

当事務所では、就業規則・賃金制度・人材定着(評価運用)・DXを絡めた「実務で回る設計」を重視して支援しています。
「賃上げと定着を両立したい」「人が採れない」「価格転嫁の整理が追いつかない」など、お困りの点があればお気軽にご相談ください。

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