若手の育児観が変わる今、熊本の中小企業ができる対応とは?
2025年8月1日、厚生労働省が「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査(速報)」を発表しました。高校生・大学生を含む15歳〜30歳の若者13,709人を対象とした調査で、仕事と育児をめぐる意識が大きく変わってきていることが明らかになりました。本記事では、熊本県内の中小企業経営者の皆さまに向けて、今回の調査から見える変化と、今後企業が検討すべき対応について解説します。
若手が望む「共育て」時代の到来
調査では、64.8%の若者が「共育てをしたいが、社会や職場の支援が必要」と回答しており、夫婦がともに育児に参加することを望む意識が主流になっていることが伺えます。また、「育児や家事・育休取得に性別は関係ない」と答えた若者も約7割に上り、固定的な性別役割分担の意識が薄れつつある現状が見えてきます。
求められる柔軟な働き方と支援体制
若年社会人の7割以上が育休取得に意欲的で、その8割が1か月以上の取得を希望しています。また、「仕事と家庭を両立できること」「柔軟に働けること」を理想とする声も強く、柔軟な勤務制度や在宅勤務の選択肢などが求められているのが実態です。特に、理想の働き方ができていない人は、離職意向が高くなる傾向もあり、人材定着の観点からも企業の対応が問われます。
就活生が企業に求める情報も変化
就職活動において重視される情報として「男性の育休取得率」「育休取得者へのサポート体制」「育児支援内容」が上位に挙がっており、企業が育児支援について積極的に情報開示していくことも、優秀な人材の採用には不可欠です。
熊本の中小企業が今できること
熊本の中小企業にとっても、こうした若手の意識の変化に対応することは、採用力と定着力の強化につながります。たとえば、
- 育休制度の周知と男女を問わない利用促進
- 残業時間の見直しと有給取得の奨励
- 在宅勤務や時差出勤などの柔軟な制度の検討
といった取り組みは、すぐにでも着手できる対応です。
まとめ
若手世代の価値観の変化は、今後の企業経営に大きな影響を及ぼします。熊本の中小企業が地域の雇用を守り、持続的な成長を実現するためにも、「共育て」「柔軟な働き方」「情報発信」というキーワードを踏まえた対応が必要です。当事務所では、労務制度の見直しや就業規則の整備、助成金活用支援など、企業の実務的なサポートを行っております。お気軽にご相談ください。
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